カナダでの日本企業も融資する汚染プロジェクトによる悲劇と世界中の抗議
どうも、Fridays For Future Japan 気候正義プロジェクトのBeckです。
カナダでは、日本企業も融資するコースタル・ガスリンク・パイプラインの建設によって、先住民 Wet'suwet'enの人々の基本的な人権が侵害され、ジェノサイドだと言えることが起きています。
今回は、この記事をとうして、先住民がパイプライン建設によって受けている暴力や差別、ジェノサイドとそれに対しての抗議を伝えていこうと思います。
日本企業も融資する汚染プロジェクト
現在カナダ西部、ブリティッシュ・コロンビア州では、TCエナジー社の子会社である、コースタル・ガスリンク社がコースタル・ガスリンク・パイプライン事業を進めています。
コースタル・ガスリンク・パイプライン事業には、多くの日本企業も融資しています。
このパイプライン建設に融資する日本企業は.…
三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行です。
また、このパイプラインに通るガスの採掘事業である、LNGカナダプロジェクトでさえ、三菱商事、国際協力銀行が融資や投資を行っています。
国際協力銀行は約11億円を三菱商事を通じて融資しています。
このパイプラインは、先住民 Wet'suwet'enの土地、イェンタに同意無しで通過し、ブリティッシュ・コロンビア州の内陸側から太平洋沿岸までの約670㎞にわたって、ガスを運ぶ恐ろしいパイプラインです。
コースタル・ガスリンク社は先住民の同意を得てから建設を開始していると主張するが、先住民の指導者達は建設に同意していません。
また、このパイプラインに融資する日本企業全てに、自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意(FPIC)という、先住民の権利を保護するためのガイドラインがありますが、それは少しも守られていません。
先住民への暴力的な弾圧
コースタル・ガスリンク・パイプラインの建設に対して、先住民の間では長年にわたり強い抗議が行われています。
先住民達は自分たちの先祖代々受け継いだ土地、川のために、抗議したのです。
しかし、コースタル・ガスリンク社は先住民の活動によって、利益を損害されたとして、先住民 Wet'suwet'enを訴え、最高裁判所は訴えを認め、先住民の抗議に対して、差し止め命令を出しました。
そして、去年1月、王立カナダ騎馬警察(RCMP)が最高裁の差し止め命令を理由に、先住民 Wet'suwet'enの土地、イェンタに殺傷能力のある、武装した警察隊を派遣し、排除に乗り出しました。
その日、先住民の人々は約30人がRCMPによって、逮捕されました。
逮捕された中には、先住民の指導者(首長)も含まれています。
RCMPは先住民の声を武力で潰し、基本的な人権である抗議の自由を侵害したのです。
先住民を無理矢理排除した出来事、先住民を暴力的に弾圧したカナダ植民地支配時代の過去が重なると思いました。
そして、今年の3月30日に、RCMPは再び Wet'suwet'enの土地、イェンタに無許可で侵入し、コースタル・ガスリンク・パイプラインの建設に抗議するWet'suwet'enの活動家5人を逮捕しました。
逮捕された活動家5人の内、4人が先住民女性です。
私も以前、共に活動した先住民の活動家も逮捕されました。
その方は、警察の逮捕によって、手に軽症であるもののケガを負ったということでした。
その他の逮捕された活動家は、無理矢理地面に押し付けられ、頭にケガ負ったということでした。
このパイプラインに融資する日本企業は、 Wet'suwet'enへの人権侵害、暴力に加担しています。
先住民への性的暴行と行方不明や殺害
カナダでは、先住民の行方不明事件や殺害事件が異常な数ほど多発しています。
女性の殺害事件のうち、4件中1件は先住民女性の殺害事件です。
2019年のとある報告書では、植民地主義と植民イデオロギーに根付いた国の行為と怠惰により、カナダ先住民の女性・少女や先住民のLGBTQ当事者は、一般のカナダ人と比べて、暴力を受ける可能性が7倍高く、殺害される可能性が12倍高いと報告しています。
また、コースタル・ガスリンク・パイプラインの建設が始まってから、暴力や殺害、行方不明が多発しています。
日本企業は先住民の殺害、暴力、行方不明にも加担しているのです。
マンキャンプについて
マンキャンプとは、建設現場のほとんど男性(マン)の労働者たちが一時的に住む仮設住宅のことです。
ほとんど男性のマンキャンプでは、先住民女性への暴行が多く行われています。
中には、労働者たちが性的暴行を先住民女性に対して行い、その先住民の方がトラウマを負ってしまった方もいました。
マンキャンプによる、暴行は日常的に行われています。
性行為の強制やパイプラインに反対する先住民をいきなり殴りつけるなどの暴行が先住民の土地内のマンキャンプによって、行われているのです。
性行為を強要されたと話す先住民の方々も多くいました。
また、カナダ連邦政府が行った調査でも、パイプライン建設が始まってから暴力が急激に増えているという結果でした。(MMIWGが調査)
多くの先住民が、マンキャンプも原因で先住民女性が行方不明や殺害が行われているのではないかという不安の声を上げています。
警察からの暴行について
先住民 Wet'suwet'enの土地、イェンタでカナダ警察(RCMP)が先住民の声を武力で無理矢理暴力的に潰しただけではなく、先住民に対して別の形で暴力を振るっています。
警察官は先住民の個人の家の中に侵入することも発生しました。
警察官は何もしていない先住民に、逮捕を理由に殴りつけたりもしました。
また、私が最も許せないのは、警察官が先住民の女性・少女・LGBTQ当事者をパトカーに無理矢理連れ込み、性行為を強要することが起きたことです。
しかし、その警察官は逮捕すらされていません。
人権侵害をしていることは明らかであるにも関わらず、警察は問題ないと判断したのです。
先住民 Wet'suwet'enの活動家、サインタさんは2021年のFoE Japanの講演会で、「誰が警察から守ってくれるのか」と話しました。
警察官は武力で先住民の活動を弾圧しただけではなく、性行為を強要するなどして人権侵害をして、性暴力被害者から声を上げる勇気まで奪ったのです。
この出来事は全て、コースタル・ガスリンク・パイプラインに融資する日本企業や多国籍企業によるものなのです。
汚染プロジェクトによる先住民の生活への影響
コースタル・ガスリンク・パイプライン事業はイェンタ内の川、ウィジンクワの下を掘削し、パイプラインを通りました。
それには、先住民達はキャンプを張るなどして抗議しました。
ウィジンクワには、様々な種類のサーモンが生息していて、先住民 Wet'suwet'enにとって、サーモン漁が重要な生計手段の一つでした。
しかし、気候変動や地域開発の影響でサーモンは減少しています。
このパイプライン建設によって更なる影響が懸念されます。
サーモンの減少は先住民を更に貧困に追いやり、更なる先住民差別を生んでしまいます。
また、パイプラインには事故がつきもので、実際にカナダの別のパイプラインは1000バレルの原油漏れを記録しています。
もし、コースタル・ガスリンク・パイプラインがガス漏れをしてしまった場合、ウィジンクワの水は飲用水としても使用するため、飲めなくなります。
ガスで汚染された川の水や魚を食べたり、飲んだりした場合、重い病にかかる可能性があります。
また、新型コロナウイルスの感染が広がった中、コースタル・ガスリンク・パイプラインの建設工事のためにやってきた労働者が、自らの感染に気づかず、結果的に先住民にうつしてしまい、先住民内で感染が広がったということも発生しました。
このパイプラインに融資する日本企業も大きな責任があります。
フラッキングの問題点
カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州では、フラッキングという採掘方法で、シェールガス(液化天然ガスの前の状態)を採掘しています。
フラッキングは高圧な水をシェール層という層の割れ目にかけることで、シェールを採掘します。
しかし、このフラッキングという採掘方法は環境負荷がものすごく高く、ドイツ、フランス、アルゼンチンでは禁止されています。
でも、カナダ、ブリティッシュコロンビア州では、規制が進んでおらず、様々な団体や人々から批判されています。
フラッキングには、様々な問題が存在します。
フラッキングによって、メタンガスの大量排出や水質汚染が懸念されています。
一般的なフラッキングには、600種類以上の人体や動植物に有害な薬品が使用されます。
フラッキングに使用する薬品が地下水脈に入ってしまう可能性が非常に高いため、多くの研究者は今すぐにやめるべきだと警鐘を鳴らしています。
LNGカナダによるフラッキングが水質汚染を起こした場合、Wet'suwet'enの土地付近の川や、Wet'suwet'enの土地内の川の水が使用できなくなるなどの甚大な影響をもたらします。
LNGカナダプロジェクト(パイプライン、液化施設、輸出ターミナル、ガス採掘施設)は約40年間動くとされていますが、気候変動を止めるためには、2050年までに温室効果ガスを0%にしなければならないのにもかかわらず、約40年間動くのは2050年を超えて運転されます。
そもそも、化石燃料をこれ以上作るべきではありません。
日本でのLNG(液化天然ガス)の使われ方
日本では、クリーンなエネルギーとして宣伝され、いわゆるSDGs(企業の宣伝用語にされた)を謳う企業がそのガスを使用して、気候変動を進めています。
日本でのLNGの使われ方は、最悪です。
68.2%は、火力発電に使用されてしまいます。
石炭火力発電所に混焼して、発電場合も多いが、LNGは燃やす時も採掘する時もメタンガスを大量排出します。
そして、輸入する時の二酸化炭素量と燃やす時の二酸化炭素量を合計すると石炭と大した差がないことから混焼してもあまり意味がないと言えます。
世界中での先住民と連帯した抗議行動
コースタル・ガスリンク・パイプラインやLNGカナダには、様々な国々の企業が融資や投資しています。
それらの企業を止めるためにカナダのみならず様々な国で先住民 Wet'suwet'enに連帯したアクションが行われました。
アメリカやイギリス、日本でアクションが行われました。
アメリカではJPモルガン・チェイス・バンクを、カナダではカナダロイヤル銀行を、日本では三井住友銀行などをターゲットにアクションが行われました。
日本ではFridays For Future Nagoyaがアクションを主催しアクションが行われました。
先住民の人権侵害とジェノサイドに加担する企業たちと闘いました。
日本でもアクションが再びができるように、Fridays For Future Japan 気候正義プロジェクトで計画しています。
少し宣伝
私が入っている、OBF GREEN PROTECTION という団体と、Fridays For Future Japan 気候正義プロジェクトは汚染プロジェクトによる加害を止めるために、メンバーを募集中です。
SNSのDMから連絡しましょう。
Twitter:@obf_green, @fffjapan_cjfm
Instagram:@obf_green_protection, @fffjapan.cjfm
最後に
コースタル・ガスリンク・パイプラインの建設による、人権侵害とジェノサイドは日本企業も融資することによって、さらに深刻化しています。
多くの企業たちは自分たちの利益のために人々を貧困に陥れ、人々を殺しています。
SDGsを掲げていながら、人々を殺し、気候変動を進めています。
日本企業の加害行為とアクションして闘うしか止めることはできません。
私達の未来はどうなるんでしょうか?
今後もこのnoteを通じて気候変動を進める汚染プロジェクトによる危機的な状況の情報や人権侵害の状況などを発信していきたいと思うので、皆さんよろしくお願いいたします。