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31音に込められた思い【話すおむすびの本棚#6】


“話すおむすびの本棚”では私が最近読んだ本について好き勝手に紹介します。
何でもアリな読書日記のようなものです。


どうも~。おむすびです。

今回紹介する本は小説ではなく短歌集です。
担任の先生もおすすめの、

『あなたのための短歌集』(木下龍也)

です。

この本に収録されている短歌は、木下龍也さんが行っている短歌の個人販売「あなたのための短歌1首」で生まれた短歌100首。
依頼者からのメールをもとに短歌を作り、封書にして送っているそう。
まさに依頼者のためだけに作られた短歌、「あなたのための短歌1首」というわけです。

だから、お題もとっても多種多様。
自分の名前や悩んでいること、結婚などの人生の転機、さらには鶏肉(⁉)とユーモアあふれるものまでさまざま。
このお題にそう答えるのかぁ、と感心しっぱなしでした。

私が読んで思ったのは、気持ちや出来事を他のものに置き換えて表現する発想力がすごい!ということ。

例えば、お気に入りのこの1首。

こわがりな心の花に陽をあてるために身体をもらったんだよ

あなたのための短歌集(木下龍也)

花にお日様があたると元気になるように、心も自信がつくと輝ける。
“自信”という「お日様」を“心”という「花」にあてるための身体。
そう思ったら一歩を踏み出す勇気が湧いてきますよね。
作者さんの『大丈夫だよ』という声が聞こえてきそうなあたたかい短歌でした。

たった31音に込められた作者さんの思い。
それを1首1首、表現や言葉とともにじっくりと味わうことが短歌の魅力なのかなと感じました。

見開き1ページにお題と短歌が1首ずつ収まっている構成なのでサクサク読めちゃいます。
他にもまだまだ紹介したいステキな短歌がたくさんあるのですが……っ。
ぜひこの本でマイベスト短歌、「あなたのための短歌」を見つけてみてくださいね。

では!