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いい景色の創り方(人材育成)<前編>【行政とまちづくり】
先日、まちづくり系のイベントに後輩らと参加したときに、彼らからのいい質問もあり、みんなでちょっといい話をすることができました。
まちづくりは人づくり。そして、人を育てるということは、大河の源流を創るということ。
今回はそんなお話です。
人材育成をやってよかったと思うとき
先日、まちづくり系のイベントがあり、今年度その関連部署に後輩らが異動したこともあって、せっかくなんで案内してもらってきました。
夜も更けてお酒が進む中で、10歳近く年下の後輩からひとつ質問。
「利他の精神で、後輩のため、組織のために色々活動してきて、どういうときにやってよかったと思いますか?」
なるほど。良い質問だなぁと。
私が答えたのはたったひとつ。
「それはいい景色が見えたときだね」
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人に期待するということ
私の基本的なスタンスとして、常に誰に対しても、その人の能力や、特性や、環境に応じて、100%を期待するようにしています。
この人は所詮ここまでしかできないだろうと低く見積もるのは、まず相手に失礼だからです。
可能性に溢れている年下や後輩に対しては、特にそうです。
しかし、私の周りの多くの方々は、よく、人に期待するなと助言・忠告してきます。人に期待しないことが、上手く生きている、賢く生きている、格好よく生きている、そんな風に皆さん思っています。
果たしてそうでしょうか。それは、上手なのではなく、ただ自分が損をしたくないだけではないでしょうか。
人が、実力以上のいい仕事を発揮するのは、往々にして周りから期待されたときです。そして、その成功体験を積み重ねるよう伴走するのが人材育成です。
だから私は、誰に対しても、特に年下の後輩職員に対しては、彼らがそのときそのとき発揮できる100点を期待して、よく見て、言葉を投げかけ、環境を用意し、伴走するように心がけています。
もちろん、100点まで達さないことがほとんどです。良くて、単位ギリギリの60点や70点とか、落第点の30点のときもあれば、よく頑張って90点のときもあります。
しかし稀に、こちらが予想もしていなかった120点や150点の逆転満塁ホームランをたたき出すときがあります。
それは、仕事の成果だったり、人のつながりだったり、彼らの中での気づきだったり、彼ら自身の成長だったりです。
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稀にホームランが出る
今まで見てきた実例
今まで見てきた後輩職員の実例だとこんな感じです。
泥だらけになって良い仕事をして、外の世界の人たちに認められたとき
だらだら記念受験している先輩方をぶち抜いて、難関資格を取得したとき
ワークショップに参加して、自ら気づきを得て、キラキラした目で前向きに仕事の話をし出したとき
まちづくりイベントに来てくれて、懇親会で一流のまちづくり業界の人たちとつながってどんどん化学反応が広がっていくとき
更に年下の後輩たちに対して、先輩方が放置する中で、裏でしっかり助け合って支えていたとき
後輩同士がつながって、新たな関係を築いたとき(家庭とかも含む)
こういった場面で、本当の笑顔が集まっているのを見たとき、つまり本物の「景色」を見たときに、「あーやってきて良かったなー」と心底感じます。とても遠くて困難な道のりだけど、確実に必要な未来に向けて、ロングキャストしてきた視野の広さは正しかったんだなと確認できる。年に1回あるかないか程度ですけどね。
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芽から幹へ
そうやって10数年働いてきたのですが、最近になって、そういったいい景色を見る事例が少しずつ増えてきた気がします。
荒れ野を独り耕し続けて、やっと芽が出始めたかなーとここ数年思っていたら、いつのまにか何本かが幹まで育ち始めた感じです。
後編では、そんな幹を実感した最近の事例を2つ、ご紹介します。