【行政とまちづくり】庁内連携術のすゝめ②(天岩戸作戦)
組織の縦割りや古さ、人材育成の難しさ、そしてまちづくりなどに立ち向かっている、全国の行政職員の方に向けたお話です(その②)。
※前回の投稿(その①)はこちら
4つの庁内連携術について
前回の投稿の佐伯講演会でお話したのが、行政における庁内連携術です。
まちづくりというのは、複合要素なので、絶対にひとりではできません。
なので、どうやって人を巻き込むか、がポイントになりますが、やはり行政というのはどうしても縦割りで、年功序列で、ときおり思考停止が垣間見えてしまうので、若くて熱意ある職員が一生懸命やろうとしても、壁の厚さに消沈することがしばしばあります。
そんな中、ぽっきぽきに折れて折れて折れまくったけど挑戦を続けた結果、こうやったらいいチームができるな、と編み出した庁内連携術を、本投稿から連投で4つ、ご紹介します。
1 天岩戸作戦
背景
全ての基本となるメインの術です。NARUTOでいえば影分身。
まちづくりの肝は人を巻き込むことと言えど、人を動かすというのはなかなか難しいです。
特に変化への反応力が低い行政組織の中で、講演会あるよ!とか、他所のまち見に行こうぜ!とか、なんかワークショップやるらしいよ!とか言っても、ほとんど人は来ません。
これは、別にその人たちがコミュニケーションが苦手なのではなく、むしろ全然関係ない飲み会とかにはバンバン行ってて仲良い関係だったりします。
じゃぁなぜかというと、人は、去年と同じこと、指示されたことばかりやっていると、具体化イメージ力が著しく下がるから。
つまり、こちらが言ってる意味がわからない。そんなことの何が楽しいのか、一体仕事の何の役に立つのかイメージできないのです。
しかし、実は彼らの中には、潜在的に楽しいこと・身になることを無自覚に求めている人が一定数います。
こういう層は、呼んでも来ない割に、いざこっちが活動・実現すると、そこに入れなかった羨望や嫉妬からか、ときに足を引っ張り始めることすらあります。
「私的に会議室を使用している!」とか、「立場を利用して金儲け企んでいる!」とか。いちばん笑ったのは「後輩女子を集めて婚活に利用している!」でしょうか。
内容と要点
そこで効果を発揮するのがこの天岩戸作戦。要点は3つ。
周りに軽くお知らせして、無理に誘わないこと
近くの見える場所でめちゃめちゃ楽しそうに実施すること
オープンにやって興味持った人はどんどん入れること(内輪盛り上がりNG)
解説
古事記で、天岩戸に閉じこもった天照大御神を外に出すために、あえて天岩戸の目の前で楽しそうに宴会どんちゃん騒ぎした逸話は有名ですよね。
それに倣って、固定観念とか保身とか思考停止という名のがっちがちの公務員の岩戸を、圧倒的な楽しさビジュアルで緩めるやり方です。
例えば、イベントの開催場所を周りから見える屋外でやる、開催の様子写真を掲示板に掲載する、など。
大事なのは、岩戸がちょっと空いたのを見逃さず、すかさず「一緒にやらない?」と声をかけること。
相手が入りたくなったのに頑なに内輪盛り上がりを続けたら、周りの心は離れ、徐々に人が集まらず縮小していくので、大きな心でいきましょう。
小まとめ
次回は、庁内連携術その2「ミルフィーユ作戦」についてお話します。