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【行政とまちづくり】庁内連携術のすゝめ③(ミルフィーユ作戦)

組織の縦割りや古さ、人材育成の難しさ、そしてまちづくりなどに立ち向かっている、全国の行政職員の方に向けたお話です(その③)。

※前回の投稿(その②)はこちら


前回に引き続き、大分佐伯で若手行政職員向けにお話した庁内連携術その2をご紹介します。

2 ミルフィーユ作戦

こちらはどちらかというと、人材育成寄りの作戦です。

背景

行政というのは、ほんとたくさんの部署でできています。
例えば、約20個の専門企業が集まっているようなもの。福祉、土木、子育て、環境、水道、観光、住宅、教育etc…
1つの部署にいながら、19の他部署と一緒に働ける幅の広さこそが、行政職員の大きなメリットのひとつだったりします。

しかし、実際にはどうしても縦割りが強く、ひとつの組織であることを活かせないことも少なくありません。
例えば、移住部門と観光部門が同じような広報イベントをバラバラに実施する、土木部門が建築法規に反する工事を実施する、など。

なんでこうなるかというと、みんな自分の部署や担当業務のこと以外を知ろうとしないから。そして、逆に周りに教えようとしないから。
実際、私が法規部門にいたときの実例ですが、他部署の専門外の方々が法規の基礎知識ないのは仕方がないことなのに、いざ彼らが間違った手続きでプロジェクトを始めようとしても、こちらの部署は受け身になるばかりで専門職として教えにいこうとしない。同じ庁内の仲間なんだからこちらから教えにいってもいいのにですね。
行政ではこんなことは非常によくあります。

出典:公共R不動産
※筆者がいつも参考にさせて頂いているサイト


内容と要点

そこで発揮するのがこのミルフィーユ作戦。要点は2つ。

  1. 庁内の色んな部署基礎業務情報を集める

  2. 薄く何層にも積み重ねて(ミルフィーユ化)みんなで共有する

講演会当時のスライド

解説

定期的に座談会を開催したり、電子掲示板で情報発信したりして、色んな職員に色んな部署の基礎情報を共有します。
これにより、例えば「移住部署が毎年東京でこんなフェアをやっている」と知って連携イベント開催したり、「屋根付きを作ると建築確認申請が必要」と知って違法な屋台小屋設置を回避できたりします。

実例

実際、コロナ禍前ですが、庁内の若手職員を対象に、月1の座談会を1年半の間定期開催したことがあります。

毎回、2名の若手職員が30分〜60分ずつ、簡単なワンペーパー1枚だけ配って、自身の部署の構成や担当業務の基礎部分を紹介することで、色んな部署の基礎知識を共有するもの。

彼らの部署でいざ何かしら業務で困った時に、それって◯◯に手続きしたらいいですよ、とか、◯◯部署に聞いてきましょうか?、とか、縦割りの先輩方尻目に若手がネットワーク持ってがんがん部署間連携で仕事進めていったら素敵だなと。
おかげで◯◯部署との仕事が上手くいった!などの声を今でも耳にします。

若手職員座談会 実施の様子

小まとめ

次回は、庁内連携術その3「フライ返し作戦」についてお話します。

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