済州島旅行#02.豚骨ラーメンと近くて遠いコギグクス
旅で最初に食べるのは、コギグクス(고기국수)と決めていました。
コギ(고기)は「肉」、グクス(국수)は「麺」という意味で、豚肉と豚骨をじっくり煮込んで作ったスープにそうめんよりも少し太めの麺を入れた済州島を代表する郷土料理です。
日本語では「肉にゅうめん」という名で紹介されていたりします。
古くから済州島では婚礼などの慶祝行事を行う際に、豚を丸々1頭さばいて人々に振舞う風習がありました。どんな部位も無駄にすることはなく、調理後に残った骨と肉を鍋に入れて長時間煮込み、麺と一緒に食べたのが由来だと言われています。
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◆お店探し
済州島に到着したのは朝7時すぎで、食事の時間も9時過ぎくらい。
この時間に空いているお店は多くありません。それでも年中無休・24時間営業のお店を見つけ、評価もバッチグー(「ばっちりグッド」の略らしい)だったので、問題なっしんぐ。
――と、歩いて到着したその場所には、真新しい韓服店がありました。
なんてこったた、ぱんなこった。
しつこいようですが時刻は朝の9時。この時間に開いているコギグクス店はそうありません。恐らく場所を変えても一緒。仕方ないので、モムグク(몸국)などのメニューに変更するかと考えていると、旦那くんが徒歩圏内に別のお店を見つけてくれました。
さすがっ。
そしてやって来たのが、サンムグクス(삼무)です。
店名は、済州島の別名の1つである「三無島」から来たのかもしれません・・・し、違うかもしれません。
急遽見つけたので特に期待はしていませんでしたが、午前中にもかかわらず店内はお客さんでにぎわい、壁にはサインが所狭しと飾られていました。
まさかの名店(맛집)だったとは(まだ食べてないけど)。
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◆キムチとカクテキ
タッチパネルで注文すると、すぐにキムチとカクテキ、青唐辛子が運ばれてきました。
キムチもカクテキも漬かり過ぎておらず、いい色に仕上がっています。
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◆まずはトンベコギ
朝だからって、麺料理だけでは終わらせるわけにはいきません。早朝の飛行機で(安かったのよ)ほとんど寝ずに来た、久しぶりの済州島ですから。もうね、ソジュも呑んじゃう。
ということで、まずはトンベコギ(돔베고기)をいただきました。
トンベ/トㇺベ(돔베)は済州島の方言で「まな板」という意味で、ゆでた豚肉をまな板の上で切りながら食べる郷土料理です(お店では切られた状態で出てきました)。
肉そのもののうまみを味わうこともできますし、ボッサム(보쌈)のように葉物野菜に包んで食べても美味しい料理です。
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◆コギグクス
トンベコギを楽しんでいると、コギグクスが運ばれて来ました。
柔らかな白色の豚骨スープに、黄色い麵を使っているあたりが自分好み。深味のあるスープに臭みはなく、たっぷりネギとしゃきしゃきの生もやしのおかげもって、非常に食べやすかったです。大きめにスライスされた豚肉はやわらかく、食べ応えがありました。
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◆コギビビングクス
ちなみに、旦那くんはコギビビングクス(고기비빔국수)を頼みました。
コギグクスのビビン(混ぜ)バージョンで、普段食べているビビングクスよりも濃厚な風味がしました。香味野菜を使い、酸味の効いたタレで和えているので、さっぱりしたものを食べたい方にはこちらもおすすめです。
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◆初めて食べるときの注意点
最後に、コングクスに関して一つだけ注意事項が。
豚骨スープの麺料理と聞くと、豚骨ラーメンを思い浮かべると思います。実際、それに近い味と香りを楽しめますが、濃厚でパンチのあるこってりスープを想像しながら食べると・・・
うっっっっす!!!
と、なりますのでお気をつけください。
何を隠そう、わたしがソウルで初めてコギグクスを食べたときの印象がそうでした。もちろんマズくはないのですが「これって完成?」「もっと煮込まないの?」「ガツンと来ねえ」「塩味がほしい」と物足りなさすぎて、次はもう(食べなくても)いいかなあと思いました。
ただ、今回食べたコギグクスは深みのある優しいスープで、美味しかったです。やはり現地で食べるのが一番ですね。
済州島に来たら一度は食べておきたい、ご当地グルメです。
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