韓国水安堡旅行#02.キジ肉のコース料理
先週、忠清北道(충청북도)忠州市(충주시)に位置する水安堡(수안보)へ、2泊3日ののんびり旅行に行ってきました。
古くから温泉地として有名な水安堡ですが、山に囲まれた自然豊かな土地柄、昔からキジ肉が郷土料理として親しまれ、街中にはキジ料理の専門店が数多く並んでいました。
キジ肉のしゃぶしゃぶコース料理
キジを韓国語で「クォン(꿩)」と言います。
今回は、キジ肉のしゃぶしゃぶ(꿩샤부샤부)をメインとしたコース料理をいただきました。
◆おかず(반찬)と前菜のサラダ(샐러드)
最初に、付け合わせのおかずとサラダが並びます。
左上から、ほうれん草のナムル、キノコの炒めもの、山菜のナムル、大根キムチ、サラダ、わらびのナムルです。ナムルはどれも食材の香りが引き立つ薄めの味付けで、食感も楽しかったです。
こちらのサラダは前菜です。
野菜の上には、茹でたキジ肉が乗っていました。見た目も、香りも、食感も、鶏むね肉に似ているシンプルなサラダです。
◆串焼き(꼬치)
最初の一品料理は、串焼きでした。
少し厚めに切ったキジ肉を、銀杏、玉ねぎ、えりんぎ、ネギと一緒にいただきます。キジ肉は弾力があり、食べ応えがありました。塩味にバターの香りがほのかに効いて、美味しかったです。
◆ユッケ(육회)
こちらはユッケです。
下に引いているのは梨で、紅ショウガが添えられていました。肉は、みじん切りにしたにんにくと特製ダレで味付けされています。ユッケなので生のキジ肉が使われていますが、タレのおかげもあってか臭みは一切感じませんでした。食感はしっとりとしていて柔らかく、むね肉の鳥刺しに似ていました。
◆チヂミ(전)
みんな大好き、チヂミです。
弾力のあるキジ肉に、爽やかさな青野菜。焼きたてのチヂミは香ばしくて、美味しかったです。
◆プルコギ(불고기)
テーブルでは、プルコギ作りが始まりました。
細切りにした野菜とキジ肉、太めの春雨を炒めて、食感が残る程度で火を止めます。塩コショウベースの味で、あっさりしていました。
◆水餃子(만두)
水餃子です。
皮は厚めで、ぷりぷりのもちもち。肉汁もたっぷりです。キジ肉を使っているので、普段食べる水餃子よりも淡白で美味しかったです。
◆しゃぶしゃぶ(샤부샤부)
いよいよメインのしゃぶしゃぶです。
テーブルには、たっぷりの野菜と薄切りにしたキジのむね肉が並びました。
鍋には、出汁を取るための大根と唐辛子が入っていました。
野菜のうまみをほのかに感じるスープは、唐辛子が入っている分、後味がシャープですっきりとしています。
キジ肉は3~4秒程度、軽くゆがくのがポイントだそうで、醤油ベースのタレに付けていただきました。
基本的には鶏肉に似ていますが、ずっと食べていると、段々と奥の方から軽い酸味を感じてきます。ひょっとすると、これがキジ特有の香りなのかもしれません・・・が、そうでないかもしれません。
◆〆は麺(칼국수)とジャガイモの団子(감자옹심이)
しゃぶしゃぶの〆は、麺とジャガイモで作った団子です。
ジャガイモで作った団子を「カムジャオンシミ(감자옹심이)」と言います。ニョッキに似ていますが、個人的には作り方が楽しいので好きな料理です(と言っても、頻繁に作るわけではありません)。
まず、じゃがいもをすりおろして水分を切ります。この水分は別途ボールに取って、しばらく放置します。するとでんぷんが沈殿するので、上澄みの水分だけを捨てます。このでんぷんと先ほどすりおろしたジャガイモを混ぜ合わせ、団子状にして茹でると、カムジャオンシミの完成です。
ジャガイモのうまみが詰まった、もっちもちのお団子です。鍋以外にも、お味噌汁やスープに入れても美味しく、また冷凍もできるので、一度作っておくと便利です。
◇◇◇
最後は話が逸れてしまいましたが、キジ肉は味も食感も鶏肉に似ているので、初めての方でも食べやすい料理だと思います。
ただ韓国でも広く食べられている食材ではないので、水安堡にいらっしゃる機会がございましたら、召し上がってみてください。