韓国伝統茶#07.松葉茶~心と身体の健康維持に役立つお茶~
さて今回は、韓国で広く親しまれている松葉茶(솔잎차)をご紹介したいと思います。
松葉茶は、古くは中国でも飲まれていた健康茶で、その豊かな効能から、仙人食(선인식)とも言われていたそうです。
松といえば、日本でも身近な植物ですよね。ただ、お茶は見掛けたことがなかったので、日本では売られていないと思っていたのですが、今回調べてみたところ、実は日本でも国産の松葉茶が色々と販売されているようです。気になる方は、ぜひお試しください。
松葉茶(솔잎차)
松葉茶は書いて字の如く、松の棘を煎じて入れた伝統茶です。基本的にはアカマツ(赤松)やアブラマツ(油松)の葉から作られるお茶を「松葉茶(솔잎차)」と呼び、朝鮮五葉松から作られるお茶を「ジャン二プチャ(잣잎차)」や「柏葉茶(백엽차)」と呼びます。
◆風味
松葉茶は癖が少なく、爽快な松の香りがほんのりと漂うお茶です。風味に関しては、お茶というよりもハーブティーに近いかもしれません。
ただ、これは私がいただいた松葉茶がたまたまそうだったのかもしれませんが、野草を浸した水のような味がしました(表現が・・・笑)。そういうお水を飲んだことがあるわけではないのですが、お茶というよりは松の風味がする水といった感じで、正直、美味しいなあという印象はありませんでした。
それでも他の人に聞くと、「爽快ですっきりとした味がする」と言うの人が多いので、そういう味だと思っていただくといいかなと思います。
実は松葉茶の作り方は大きく分けて2つあるようで、お茶の味は製造方法にもよるのかもしれません。
(1)生か乾燥させた松葉を使う
(2)発行させた松葉を使う
韓国では、砂糖が入った松葉茶も売られています。個人的には無糖の方が好きですが、この辺りは好みでしょうね。
◆効能と副作用
松葉茶には、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンK、クロロフィル、ケルセチン、テルペン精油が豊富に含まれているほか、必須アミノ酸、タンニン、鉄分、ビタミンB群、カルシウム、マグネシウムなども含んでいます。
1.血管の健康
松葉茶はビタミンA、ビタミンC、ビタミンKのほか、血中コレステロール値を下げるクロロフィルを含んでいます。また、ポリフェノールの一種であるケルセチンは、血管をしなやかにする効果があるといわれています。このように松葉茶は血管の健康を助ける成分を多く含んでいるため、動脈硬化・心筋梗塞・脳卒中の予防と高血圧の改善に効果的だといわれています。
2.成人病予防
お茶に含まれるケルセチンには、血糖値の上昇を抑える効果があることも知られています。そのため、糖尿病や高脂血症などの成人病予防にも効果的です。
3.老化防止と毒素・老廃物の排出
松葉茶に含まれるビタミンは、老化を抑えて、健康的な肌を維持するのに役立ちます。
また、抗酸化作用を持つケルセチンには活性酸素を取り除く効果があり、クロロフィルには、人体に有害なダイオキシンやカドミウム、鉛などを排出する作用があります。そのため、松葉茶を定期的に飲むことで、体内にある毒素や老廃物を排出してくれる効果が期待できます。
4.貧血の改善
お茶に豊富に含まれる鉄分が赤血球の生成を促進することで、体内の酸素供給を改善します。貧血から来る立ち眩みやふらつき、胸の痛みや頭痛などの改善に効果的です。
5.消化機能の改善と食欲増進
松の葉に含まれるタンニンが胃の粘膜を保護し、消化活動を活発化させます。また、胃の活動が促進されるため、食欲増進にも効果があるといわれています。
6.ストレス・疲労回復
お茶に含まれるテルペル精油は疲労を回復し、不安や興奮、焦燥などから来るストレスを鎮めるリラックス効果があるといわれています。
上記以外にも、脱毛予防・増毛促進、ニコチンの排出にも効果があるそうです。ちなみに、松葉茶には微量のカフェインが含まれています。
◆注意点
様々な効能を持つ松葉茶ですが、注意点もあります。
まず、松アレルギーがある方は避けた方が良いでしょう。また、松葉茶には血液をさらさらにする効果があるため、普段からワーファリンという薬を服用している方も注意が必要です。
胃の粘膜を保護して消化活動を促進させるタンニンですが、人によっては胃の調子を悪くしたり、消化機能に不調をきたしたりする場合もあるそうです。飲んだ後に胃に不調を感じる場合は、控えた方が良いでしょう。
◆市販の松葉茶
松葉茶は、茶葉を買って来て家で煎じて飲むこともできますが、スーパーやコンビニなどで購入することもできます。
写真にあるのは、ロッテから発売されている「골의눈(松の涙)」です。左の白いバージョンはよく見掛けるため知っていたのですが、個人的に驚いたのは緑色のバージョン。なんと、見てお分かりの通り、スパークリングだそうです。
炭酸の松葉茶・・・。
うーん・・・うまいのか?
まあ、商品になっているくらいなので、不味くはないでしょう。
ちょっと気になる味ではあります。
今度見掛けたら買ってみようかな。
【参考ページ】
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