#180 酸化ストレスと抗酸化防御機構
前回の投稿で、活性酸素について
綴ってみましたが、
活性酸素は人間が生きていく上で
とても大切な役割を担っておりますが、
この活性酸素が増えすぎてしまい、
体内で対応できなくなってしまうと
どうなってしまうのでしょうか?
このことを、酸化ストレスと言われております。
酸化ストレスとは、
体内で活性酸素が過剰に生成され、
これが細胞や組織にダメージを与え、
抗酸化能力(抗酸化防御機構)とのバランスが
崩れた状態のことを指します。
通常、体内には活性酸素を中和する
抗酸化防御機構が備わっていますが、
このバランスが崩れてしまうと
酸化ストレスが発生してしまいます。
抗酸化防御機構とは、
活性酸素の産生を抑制したり、
活性酸素で傷ついた細胞を修復したりする働きを
有する機能をいいます。
抗酸化防御機構には、
体内に備わっている内因性の抗酸化酵素と、
食品やサプリメントで摂取する外因性の
抗酸化物質の2パターンがあります。
抗酸化酵素とは、
活性酸素による細胞の傷害を抑制する酵素の
総称のことをいいます。
身体の中で合成される抗酸化酵素には、
スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、
カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ
(GSH-Px)などがあります。
抗酸化酵素は、
年齢を重ねるとともに減少してしまうので、
食べ物などから抗酸化作用のある栄養素を
摂取することが大切になってきます。
抗酸化作用のある栄養素には、
レチノールやβカロテン、ビタミンC、ビタミンE、カロテノイド類、カテキン類などがあります。
酸化ストレスは、老化やさまざまな病気
(がん、心血管疾患、神経変性疾患など)と
関連することもあります。
日常生活では、以下のようなものが
酸化ストレスの原因になったりします。
・紫外線、放射線、大気汚染
・たばこ、薬剤、酸化された物質の摂取
・過度な運動やストレス
・過度なストレス
・食べすぎや飲酒
酸化ストレスが蓄積してしまいますと、
次のような症状や病気などに繋がる可能性が
あったりします。
・シワや白髪が増える
・集中力が落ちる
・疲れやすくなる
・がんや生活習慣病などの病気にかかりやすくなる
・糖尿病
・動脈硬化
・アルツハイマー病やパーキンソン病などの
脳の病気
酸化ストレスを軽減するためには、
抗酸化作用のある物質や栄養素を摂取することや、
適度な運動、ストレス管理が有効となります。
抗酸化作用のある物質、栄養素には、
次のようなものなどがあります。
・ビタミンC、ビタミンE、ビタミンAなどの
ビタミン類
・ポリフェノール類(アントシアニン、イソフラボン、サポニン、セサミノール、ルチン、カテキン、テアフラビンなど)
・カロテノイド類(β-カロテン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチンなど)
・コエンザイムQ10などのビタミン様作用物質
抗酸化に有効なのは、抗酸化作用のある物質や
栄養素の摂取だけではありません。
日常生活を送る中で、
ちょっとしたことに気をつけるだけで、
活性酸素が増えるのを防ぐことができます。
過去から現在、そして未来に向けても言われ続け、やり続けていくことが大切であります、
食事、睡眠、適度な運動を疎かにせず、
ストレスを発散、コントロールすることが
酸化ストレスの軽減、抗酸化防御機構の向上に
つまるところ繋がっていくと思っております。
健康は一日にしてならずではありませんが、
日々、自分自身との向き合うことが大切であると
改めて実感しております。
活性酸素に関しましては、こちらの投稿も参照していただけると幸いです。