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be very very carefulの発音について

2021年8月18日のタイガース‐エンゼルス戦の大谷選手打席中の実況で、「 be very very careful」(大谷選手への配球について)とても注意しなければならない。という発言のアクセントがアジア人差別であるとして炎上し、当該放送局から無期限の活動休止処分を受けた、というニュースがあった。

英語学習者として

デトロイトの地元メディア『Deadline Detroit』は、
・明らかな人種差別的なジョークであり罰せられるべきだが追放はやりすぎ
・今は多くのメジャーリーグチームが、白人だけではなく、ラテン系やアジアのスターにフィーチャーしている。そのなかで文化は徐々に変化し、野球界にもあらゆるものが反映されている。
・エルマー・ファッドのような話し方(RとLをWで発音することで有名なルーニー・テューンズのキャラ)
・米ミシガン州ベントン・ハーバー出身の俳優アート・ジョンソンの名言「Very interesting……」と似ている

と記載があり、軽く調べた限り上記のような反応が一般的である。

個人的には、ややスペイン語より(BがVっぽい点と、Rがアメリカ的な癖の強いものではなく、日本語、スペイン語よりの軽く弾く音のように感じられたから。)という印象を受けた。シンプルな単語で聞き取りができたので、言われなければ間違いなくスルーするところである。

僕はハリーポッターの影響と、(目で見て勉強することが中心であったことから)文字通りの発音に慣れているため、アメリカ語の聞き取りにはかなり苦手意識がある。アメリカ人グループの中に一人入って会話をする、という経験が留学中にあったが、全然聞き取れなかった思い出がある。

そのような自分にとって、アメリカ語の発音は英語の発音の中でもかなり「遠い」ものである。多様な派生が存在する英語において、この程度の発音で「問題」化けするというのは、英語学習者としては違和感を覚える。

個人的には、アメリカ語に寄せるのではなく日本語的英語(サムライ・アクセント)もしくはイギリス語的英語で突っ切った方が話しやすいのでそちらに誇りを持ちたいので、被差別対象のアクセントとみなされると困ってしまう。


次に発音自体の問題は置いておいて、「そこに差別意識があったのか」というところである。前後の流れとしては大谷選手をリスペクトする文脈であること、すぐに周囲が問題点を指摘し謝罪していること、大谷選手本人が気にしていないという声明を出していることかこれ自体はそれほど大きな問題ではないと思った。

一方で、アジア人の、そして世界のヘイトクライムが大きな問題としてうねりを上げており、その一部として取り上げやすいこの件が脚光を浴びたのであろう。(野球という人気スポーツ、問題発言が分かりやすく取り上げやすい)

発言内容や考え方は、昔問題がなくても、現在の価値観では深刻な問題として位置づけられる場合がある。

ということは現在の価値観では問題がなくても、将来の価値観で遡って分析した際には問題となることもあるだろう。しかも、それはすべてインターネット上で記録されているから、責任を持てないことを不用意に発言できないな、と改めて思った。

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