打倒、岡倉天心!ですわ!
いえ、別に打倒する必要はないのですよ?
ごきげんいかがでしょうか、お嬢様修行中の私です。
今回は、らくぼろさんのところでお見かけしました「文体診断」なるものをやってみましたわ。
どれほどの母数が──参考となる文を読み込ませたAIなりなんなりが──あるのかわかりませんけど、占い感覚で気軽に試してみることにいたします。
やり方はかんたん、当該サイトに自分の文章(上限5000字)を入力して、「診断する」ボタンを押すだけ。
まずは、先日アップした「積善法」をコピペしてみましょう……
なるほど、小林多喜二ときましたか。「蟹工船」は、読んだことがない方々はいても、タイトルを知らないという方はいらっしゃらないでしょう。松たか子さんは……どうなんでしょうか。
次はこちら、エッセイ風味のものを入力したらどうなるのでしょう。
やはり、小林多喜二。そして松たか子さん。私が共産主義的に見えまして?松たか子さんは、エッセイや、お父さまの松本幸四郎さんとの共著があるようですわね。
では、本格的な小説はどうでしょうか。私の主力、「画廊喫茶マヨヒガ」の一部を入力してみます。
意図的に一文を長く、長くするようにして書いてあるので誰と類似しているのかと思いきや、岩波茂雄?存じ上げませんけども、お名前から察するに岩波書店の祖の方ですわよね?著作があるのかしら?
そして唐突にやってきた福沢先生と有島武郎。
有島武郎は「カインの末裔」だけ読んだことがあり、主人公の無知さ、粗暴さに嫌気が差し、救いの無い終わり方に胸のむかつく思いだったことをおぼえていますわ。現実にも同じことが起こっていることを考えると、ある程度の知性と品性がどれだけ大事かがわかります。
気分を変えて、他noterさんとのコラボ作品を入力してみましょうか。
浅田次郎が入ってきましたか……ひとつ前の診断でワースト1位に入っていたので少し驚きですわ。
ここに来て文章の読みやすさがB(読みやすい)に急浮上いたしました。まあ、子供でもわかるように、と童話調を心がけて書いたので、当然と言えば当然ですわね。
こちらはファンタジーもの。いわゆるハイ・ファンタジー、今風に言えば異世界ものですわね。
文章がやや硬いのは、少し古風な言い回しを意識して書いたからでしょう。
そして直木三十五、小田実が初お目見え。直木三十五は、言わずとしれた直木賞の由来となった人物ですわ。この名前……読めまして?山本五十六みたいな特殊な読みをしそうですけども、実はそのまま「なおき さんじゅうご」ですの。本名が植村さんなので、「植」の字を分解して「直木」、31歳の時に文筆活動を始めて「直木三十一」を名乗って以来、一年経るごとに「直木三十二」「直木三十三」と変えていたそうですわ。「直木三十五」で止まった理由には諸説あるそうです。
さて、こちらは旅行記風味。今までとまったく違うテイストに──特に会話体が多いテイストになるので、そこはどう判定されるのでしょうか。
浅田次郎、二度目のベスト1。そして安定の小林多喜二と松たか子さん。私はどちらかというと専制君主制を推しているのですけど……
こちら、私の処女作は一人称で物語が進みます。さて、どうなりますでしょうか。
どうしても小林多喜二と松たか子さんを推したいのですわね!共産主義に宗旨変えしろと!?
さて、いくつかの作品を読み込ませてみた結果、このようになりました。
一致指数に登場した回数
小林多喜二……5
阿川弘之……1
松たか子……5
岩波茂雄……2
福沢諭吉……2
有島武郎……1
浅田次郎……3
小田実……1
直木三十五……1
不一致指数に登場した回数
三木清……4
伊藤正己……2
田中角栄……2
梅原猛……1
浅田次郎……1
新美南吉……2
団藤重光……2
岡倉天心……7
一致指数とトップは小林多喜二と松たか子さん。そして不一致指数のワーストはぶっちぎりで岡倉天心。どれだけ不一致なのか逆に興味がわいてきましたわ。
まあ、もっとも、他のnoterさんの文体診断を拝見しても岡倉天心はたびたび登場しているようですし、どれだけ現代の私たちとかけ離れた文を書いているのか読んでみたくなりますわね。
私、文体は、その人がどの作家を好むかよりも、これまでどんな文に接し、頭の中でどんな文体で物事を考えているかが反映されると思っておりますの。自分に無いものだから憧れる、というのもあるかもしれませんわね。
久しぶりに過去作を読み直すいい機会にもなりました。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、ごきげんよう。
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