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「知らない」を楽しめる音楽フェス-SUMMER SONIC 2024/ SONICMANIA

この3日間の思い出がとても良いものだったので、記憶が薄れないうちに。 当たり前が打ち崩されて ソニマニ、サマソニと参加する自分を含め、今年のサマソニは多くの人にとって「参加できたこと」そのものがまず大きな財産のひとつだったと思う。 というのも、ソニマニ当日に歴代最強クラスの台風が直撃するのでは、ということでソニマニは開催自体が危ぶまれ、現にソニマニや続くサマソニのために地方から参加予定だった方は交通の影響で参加できなかった方も多かったからだ。 だからこそ、(開催前特に楽し

    • フジロック行ってきた人一問一答(2024年)

      FUJI ROCK FESTIVAL'24に行ってきました。今年は1日目(金曜日)のみ、0泊2日で始発帰り朝までコース。感想をインタビュー形式(自問自答)で振り返ってみて、また来年の今頃振り返れるように記してみました。拙文ご容赦 【まずフジロック歴を教えてください】 今年で3回目。 22年に初めて行って前夜祭から全通、去年は金曜のみ1日参加。 フジロックでの思い出のライブは Vampire Weekend('22) Arlo Parks('22) Black Countr

      • 音楽界のアベンジャーズboygeniusの始まり

        2024年のグラミー賞にて最優秀ロック・パフォーマンスをはじめ3部門受賞となったboygeniusをそう称したのは、同じく同年グラミー賞で2部門受賞となったParamoreのボーカルHayley Williamsであった。 今回はboygeniusのこれまでの歩みを探る特集記事の前編。 3人の出会いと、奇跡のようなスーパーグループboygeniusの始まりについて。 3人の出会いboygeniusはアメリカを活動拠点に活躍するPhoebe Bridgers(以下「フィービ

        • サマソニ2024のヘッドライナーを本気で予想する

          Summer Sonic 2024のHPに掲載されている、主催クリエイティブマン代表の清水さんのコメントによれば、 とのこと。 毎年ヘッドライナーの予想はしているのだが、楽しみすぎるので今回は自分ができる全力の予想をしてみたい。 これまでの傾向私はデータ分析のプロではないのだが、おそらくこういった予想をするにあたっての第一歩として、ひとまずこれまでの傾向を掴むことから始めるべきだろう。 過去10年のサマソニのヘッドライナー(ジャンル、ソロorグループ、主な所属年代)は以

        「知らない」を楽しめる音楽フェス-SUMMER SONIC 2024/ SONICMANIA

          世界一気が早いサマソニ2024ラインナップ予想

          SUMMER SONIC 2023が8/19,20の2日間、SONICMANIA(8/18)まで入れると3日間開催されました。 ヘッドライナーであるBlur, Kendrick Lamarを中心に大盛り上がり、私自身も忘れられないライブばかりで大いに楽しんでました。 ということで、誰よりも気が早い私が来年2024年のサマソニラインナップを予想していきます。 サマソニ東京1日目(大阪2日目)【Marine/ Ocean Stage】 Billie Eilish ROSAL

          世界一気が早いサマソニ2024ラインナップ予想

          The 1975に失恋した話

          前提 筆者はThe 1975の比較的熱狂的な部類のファンである。歌詞の意味を自分なりに深堀してブログ記事を書いてみたりもしている。 (記事例:「世界一分かるThe 1975「Love It If We Made It」歌詞和訳&解釈」) ライブはサマソニ19,22と2019年バンコク公演の計3回見たことがある。 23年4月の来日公演は横浜公演に行く予定だった。 The 1975が好き 私が彼らの音楽を初めて知ったのは、2013年にデビューアルバムがリリースされたとき

          The 1975に失恋した話

          それぞれの部屋に宿る生活と群像劇-Notes On A Conditional Form / The 1975

          "Notes On A Conditional Form"は、22曲の収録曲それぞれが映し出す異なる部屋、そのそれぞれで暮らす人々の群像劇だ。 これが私のこのアルバムに対するイメージを端的に表したものだ。 なぜ自分が「部屋」をイメージしたのか。そのきっかけはこのアルバムの各収録曲のMVを見ると、どれも部屋や狭いスペースでの映像ばかりだったからだ。 "People"は全面が映像を映すボックスを、"Frail State of Mind"は書斎のような一室。 "Me & Y

          それぞれの部屋に宿る生活と群像劇-Notes On A Conditional Form / The 1975

          世界最速サマソニ2022ラインナップ予想

          「いや気が早いな!」 そう思いながらもこの記事を覗いてくれたあなたなら、私の気持ちを分かってくれるはずだ。待ち遠しいものを夢見て想像する楽しみは、大げさに言えば人類に与えられた財産。今からもう既に行きたくて仕方ないSummer Sonic 2022のラインナップを本気で考えていきます。 1.前回までのサマーソニックを振り返る 2017年のポイントはEDM/ポップと和洋ロックの二本柱。 前者はヘッドライナーCalvin Harrisを筆頭にAxwell Λ Ingrosso

          世界最速サマソニ2022ラインナップ予想

          どうしたら洋楽をオススメできるか?

          私みたいな隅っこで海外の音楽を聴いてる者でも、それなりに同じ趣味の話ができる友人というものが欲しいもの。 しかし、「日本の音楽聴いてるなら海外の音楽も聴かなきゃ勿体無いよ」理論は、思えばなかなか暴論なんですね。 例えば多くの人々は、正月にはぼんやりとお昼前に起き、こたつに入りながら箱根駅伝を見て「おお今年はどこどこが勝ってるんだあ」なんて言いながらミカンをボリボリ食っているでしょうが(だいたい毎年の視聴率が30%前後)、そんな彼らに「駅伝観るなら出場選手が毎年出てるインカレ

          どうしたら洋楽をオススメできるか?

          MGS2(2001年)と2020年、Death Stranding(2019年)と20XX年

          「現代のデジタル社会では、日々のあらゆる情報が蓄積され、些細な情報がそのままの形で保存されている。永久に劣化する事はない。」 「あらゆる情報が、ろ過されず、保存されて、後世に伝えられる。」「それは進化を止める。」 「世界のデジタル化は、人の弱さを助長し、それぞれだけに都合の良い『真実』の生成を加速している。」 「『政治的正しさ』や『価値相対比』というキレイゴトの名の下に、それぞれの『真実』がただ蓄積されていく。」「衝突を恐れてそれぞれのコミュニティにひきこもりーーぬるま

          MGS2(2001年)と2020年、Death Stranding(2019年)と20XX年

          自分は「ジョーカー」か、それとも「社会」か問え

          映画「ジョーカー」感想【※ネタバレあり】 最初に断っておくと私はDC作品について全く詳しくない。ダークナイトもバットマンも見たことがない。ついでにいうと映画についてもあまり明るくない。(なので本作を気に入った自分におすすめな作品があったら是非コメント等で教えて欲しい)  つまり特別詳しい評論家やマニアではなく、単なる「一市民」の感想だ。  本作は何らかの才能や超人的な能力をもった人間ではなく、どこにでもいる一市民の物語だ。しがないピエロとして活動するアーサー、格差の広がる

          自分は「ジョーカー」か、それとも「社会」か問え