この詩集には透明な輪郭線をなぞる不思議な疾走感がある。繰り出される言葉の波の中で私は時々立ち止まったり、気になるフレーズをノートに書き写したりしていた。ノートは10ページになった。
詩集を閉じてから、私はノートを最初から読み返してみた。すると、そこには私が受け取った詩集の核のようなものが現れていたので、おもしろかった。
例えば、冒頭の四つの詩から書き写したものを並べてみるとこうだ。
作者は「絶望していろ、バーカ」と書く。それは強烈な言葉を使った言い回しで、強い意志を感じるが、その表題詩のなかには、こんなフレーズが散りばめられている。
詩人は、どこまでも絶望を解体していく。その容赦なさが圧倒的な言葉とともに押し寄せてきた。
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