見出し画像

違和感のない教え【『鬼滅の刃』で学ぶはじめての仏教】松﨑智海著

「おばあちゃんは、浄土真宗だったかな?」

子供の頃、母が言っていたのを思い出しました。

94歳まで生きた父方の祖母。
告別式に出席するため、
新幹線で向かってます。

私が社会人になった頃、
祖母は、血圧や不眠症など
体調不良に悩まされていました。

詳細はこちらで触れてます。


閑話休題。
私は熱心に信仰している特定の宗教はありません。
それでも神社にお参りは行くし、
お墓参りにも行きます。
昔は、宗教と言うとオウム真理教や、今話題の統一教会などカルト宗教を思い浮かべてました。

しかし歴史の本を読むに従って、
宗教は切っても切り離せないことに気づきました。
高校生の時に世界史を習ってましたが、
キリスト教やイスラム教など
必ずと言っていいほど出てきました。

日本には神社もお寺もありますが、
あまり勉強をしたことなかったので、
知らないこともたくさんありました。



・気づき1.あらゆるものは変化している。

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」

平家物語の一文ですが、
国語の授業で 習ったのを思い出しました。

平安時代末期から鎌倉時代の話で
権力闘争が激しかった時代。
当時感じたのは
「永遠に栄え続ける人はいない」でした。

この世に永遠のものはないし、
栄えたものがいつか滅びる。
変化することを前提にしていると思いました。

当時はこの一文が、
仏教と繋がっていることを知りませんでした。
諸行無常と聞いて、
平家物語のこの一文を思い出しました。

変化する世界で、
変化しない自分に執着したら
苦しいと気づきました。

・気づき2.変わらないことに執着した結果

仏教には我執という言葉があります。
我執とは「我を求めて我にこだわり、執着する」
常に変化する世界の中で、
変化しない自分を求めるのは苦しくなります。

鬼滅の刃の作中で鬼舞辻無惨が、
「変化は悪。衰えることを前提にしてる」と
頑なに変化を拒みました。

現代だと、いつまでも若くいようと
アンチエイジングに勤しむ妙齢の女性を
例にあげられてました。

この我執ですが、煩悩の原因にもなります。
そう考えると、鬼舞辻無惨は我執の塊とも言えるでしょう。作中では 鬼は煩悩を象徴してます。

・仏教…我執は煩悩を生み出す。
・鬼滅の刃…無惨は鬼を生む。

「我」にとらわれない心を持つことが心理。
真実に目覚める道、
苦しみから離れた仏になる道と説かれてます。 

余談ですが、
猗窩座は鬼になった時点で「無我の境地」に
たどり着けないことが決定したと著者。
鬼は、「無我の境地」と反対の位置にあり、
方向性が違うとのことでした。

・気づき3.対機説法

仏教は様々な流派があります。
浄土宗、浄土真宗、日蓮宗、真言宗など
13宗派もあります。

「なぜこんなに宗派があるのか」
その原因は、お釈迦さまがその人に最もあった教えを説いていたからです。

例えるなら登山。
目的地が頂上なのは同じだけど、そこにたどり着くまでのルートがそれぞれ違うイメージ。

鬼滅の刃で継国縁壱がいい例です。
呼吸法をその人に合ったやり方で教えてました。

子どもの勉強法でも同じことが言えそうです。
目的は一つ一つの単元を積み重ねていくことで、
知識を得ることでしょう。
しかし、その方法は人によってそれぞれ。

目で見て理解しやすい子どももいれば、
耳から聞いて理解しやすい子もいます。

発達の特性で文字を読むのが苦手な子もいます。
そういう子どもなら、
オーディオブックなど音声教材を使った方がやりやすいでしょう。

・感想

詳しく仏教の教えについて学んできませんでしたが、 こちらの本を読んでしっくり来ました。

多くの人が「私は無宗教だ」と
言っているのを聞きます。
私も特定の信仰はないので、そう思ってました。

今回学んで感じたのは、仏教の教えは日々の生活に溶け込んでいることでした。

一部の国では 海外旅行に行く時、
宗教を申告しないといけないそうです。
池上彰さんの仏教の本を読んだ時に知りました。
無宗教と書くわけにはいかないので、
納得できないものの仏教と書いていたそうです。

私だけでなく、 多くの人たちが仏教徒に近いのではないかと感じました。

今統一教会の問題で話題になってますが、
そもそも宗教について、何も勉強してこなかったから、こういう問題を起こっているのではないかと感じます。

問題が出てきた頃、SNS上で仏教関係者の方が
「私たちはこういう人たちに手を差し伸べられなかった」と悔しさを滲ませてました。

鬼滅の刃からこの本にたどり着きましたが、
好きな人なら頭に入りやすい内容になってます。

このお坊さんの文章は平易な表現で
読書に慣れていない人でも楽しめる内容でした。

以上、ちえでした。
プロフィールはこちらです。
他のSNSはこちらです。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?