一介のnoterが、経済よりも関心を持ったものとは【父が娘に語る経済の話。】ヤニス・バルファキス著、関美和訳
以前見た本の番組で紹介されていました。
その中の一冊を当時読みました。
「贅沢貧乏なんて、ずいぶん矛盾したタイトルだ」と印象に残ってます。
3冊紹介されているので
気になるリストとして入れていたものの、
そのまま2年以上経ちました。
なかなか読む機会がありませんでした。
今回、機会があって読むことにしました。
こちらの本は経済についての話ですが
歴史の本と言う方がしっくりきます。
経済の仕組みについて興味深かったですが
個人的には言語について興味を惹かれました。
・言語と経済の関係
私自身、文章を書くのが好きなこともあり、
言語が生まれた背景に興味を惹かれました。
言語の話で先日読んだ『日本語が消滅する』を
思い出しました。
そもそもなぜ言語が生まれたのでしょうか。
なぜなら、土地を耕し始めてから、
余剰(余り)が生まれたからです。
日本では縄文時代は狩猟で生活していました。
弥生時代に入って土地を耕し、栽培を始めました。
この余剰を管理するために
文字が生まれたとのことです。
農業と文字にこんな関係があったのに驚きました
・土地を耕すようになったきっかけ
なぜ、狩猟時代から農耕に変化したのでしょうか。
著者はこれについて「飢えて死にそうになったから仕方なく」と触れています。
日本やヨーロッパなど多くの国では
農耕に変化しました。
一方で、魚や肉など食料が豊富な地域では
文字は生まれませんでした。
その一例にオーストラリアのアボリジニが取り上げられています。
・考えたこともなかった問い
18世紀にイギリスなどヨーロッパ諸国が、
アフリカやオーストラリアなどを支配しました。
なぜ逆は起こらなかったのか。
学校の授業で習った程度の知識しかなかったので、考えたことがないというのが本音です。
この本を読んだ後、考えてみました。
あくまで私の考えですが、
「文字を持っているか」が彼らの運命を分けたと思います。
先述の『日本語が消滅する』の中で、
こんなことが書かれていました。
文字を持つ支配した国の人間が、
文字を持たない支配された国の人間に対して、
訳がわからない状態で契約書にサインさせて
土地を奪った歴史があります。
文字は身を守る道具になる一方で、
読めない相手を不利な状況に貶める凶器にもなると実感しました。
・感想
言語が生まれたきっかけが、
土地を耕し始めたということに驚きました。
余剰を管理するために必要になったと知り、
納得しました。
言葉の力を改めて感じました。
自分の身を守る武器になる一方で、
文字を読めない、理解できない人に対して
凶器にもなり得ると怖さを感じました。
訳がわからないまま、
家を奪われるのは怖くないでしょうか。
そんなことを感じました。
最近、法律について関心を持つようになりました。
知らない間に、自分の権利を脅かす法律ができたら
嫌だという気持ちが出てきたからです。
文字や文章を読めない、理解できない怖さを
実感したからこそ、学ぶ意欲が出てきました。
以上、ちえでした。
プロフィールはこちらです。
他のSNSはこちらです。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?