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法律って何のためにあるの?【子ども六法の使い方】山崎聡一郎著

「国民投票やるの!?」

先日の参議院選挙の結果、
改憲勢力が議員定数の3分の2を占めました。

今後、憲法の議論は不可避。
最終的に賛成、反対を決めるのは私たちです。

これから予想されるのは、
4つの項目についての議論でしょう。
詳細は、自民党のサイトを参照。

改憲勢力の全てが自民党の議員ではありません。
他の政党から修正を求められる
可能性も考えられるので、今後注目です。

そもそも私自身、「憲法って何?法律って?」
知らないことばかり。

「子ども向けだから説明がわかりやすそう」
そう期待してこども六法の使い方を読みました。


・どう思うかは個人の自由

憲法19条に、思想・良心の自由があります。

「どう思うかは個人の自由」
しかし、歴史上では思想に対しても
制約が課せられた時期がありました。
残虐な拷問によって引き出すという
非道な行為が繰り返されてきました。

そうは言っても
自分と相容れない考えの方に対して
攻撃したいという衝動に駆られるかもしれません。

それでは、「やられたらやり返せ」の先には
弱肉強食の世界があるのみ。
そこで法制度が役割を発揮。
上手く共存する度に作られました。

・「義務を果たさない者に権利はない」の行き着く先

相手の権利を制限したい側が
自分を正当化する目的で使われるセリフ。
学校の先生が生徒に対して言っているのが
イメージしやすいでしょう。

1.民法では「債務」「債権」

私も知りませんでしたが、
民法と憲法では「権利」という言葉の
使われ方が違います。

民法は宅建の勉強の時に学びました。
その時は双務契約が基本。

宅建の勉強で学んだので、
土地や建物の売買で例をあげます。

土地を買った人が売った人にお金を払う義務、
土地を売った人がお金を受け取る権利。

お金を受け取った人が土地を引き渡す義務、
お金を払った人が土地を受け取る権利。

これらがセットになっています。
「義務を果たさないものに権利はない」と
何のためらいもなく言っている人は、
この前提を知らないのではないかと指摘。

恥ずかしながら私自身、
民法と憲法上の人権についての違いを
知りませんでした。

2.人権は生まれながらにある。義務とは無関係。

「生きる権利」について
誰かと契約を交わしましたか?
その覚えがある人は誰一人としていないはず。

もしも民法同様に双務契約なら、
「生きる権利を受け取る代わりに、
○○する義務を果たします。
できなければ生きる権利を放棄します」と
言うことになってしまいます。

11条の
「国民は全ての基本的人権の享有を妨げられない」
要するに、
生まれた時から権利は保障されるとのことです。

確かに「教育を受けさせる義務」、
「納税の義務」「勤労の義務」はあります。
しかし、「お前は勤労の義務を果たしていないから、生存する権利はない」とは誰にも言えません。

3.人権感覚を養う上で弊害になる。

前項目のように、
債権と債務の違いがわからなくなったことで、
弊害が生まれました。
 
際限のない自己責任がまさにそう。

この言葉を超えて、
「国(みんな)に迷惑をかける者に、権利はない」と条件がさらに厳しくなっています。
それでは社会が殺伐としてしまうばかり。
「国民国家」という仕組みの
存在意義自体が失われてしまいます。

もしも「国民国家」がなければこうなると言及。

個人で裁けるなら裁判所は不要。
どんな場合でも自分の身は自分で守らなければいけないなら警察は無意味。
国が生活を保障してくれないのなら、稼いだお金を貯金しておくことこそが自己責任。
税金を払う意味もない。 

子ども六法の使い方

私は今働いていないので「勤労の義務」を果たしていません。私だけでなく、いろんな事情で働いていない人はいます。

「義務を果たさないものに権利はない」を
そのまま「勤労の義務」に当てはめたら
「働いていないから生きてる権利はないよ」となり、とても息苦しい世界になりそうと実感。


・私にできること

1.適切に救済を求められるようにする。

まずやるべきことは、「法を知る」ことから。

これを痛感したのは、
長男が自閉症スペクトラムと診断された時です。

現在、療育手帳を持っています。
その手続きの過程で知ったのは
様々な支援を受けられることです。

知らなければ、助けを求められません。

今後こんな人は
助けてもらいにくい世界なると予想されています。

1.すぐに殴り返してしまうような人
2.権利を傷つけられても泣き寝入りする人

2.法律はなんのためにあるのか考える。

身近な法律は、道路交通法。
車の運転をする人にとっては無縁でいられません。

交通事故を起こさない究極の方法は、
法律で車を禁止することです。
しかし、現実的にそれは難しいでしょう。
ネット通販はおろか、
スーパーなどに商品が届かなくなります。

矛盾した状態ですが、
どうすれば折り合いをつけられるか?
そのために法律があります。

3.自分自身の権利や尊厳を「尊い」と知る

これがないと、
「私も守ってるからあなたも守って!」と
相手を抑圧する方向に使いたくなります。

まずは、自分自身の権利を尊いと知れば、
相手の権利も尊重できるのではないかと思います。

・感想

「憲法と法律ってこんなつながりがあるんだな」
改めて勉強になりました。

法律の根幹になる憲法を
改正しようとしているので、
他の法律も変わる可能性があることを知りました。

特に多くの人が危機感を持っているのが9条。
変わったら、「戦争を始めるんじゃないか」と
不安を感じてる人が多いなぁと実感。

ただ、今回の改正案は憲法9条だけではありません。教育に関する義務、一票の格差、
地震などの緊急事態への対応もあります。

今後の憲法改正に関する報道は
他の改正案にもきちんと触れてほしいと願います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
少しでも関心を持っていただけたら嬉しいです。

以上、ちえでした。
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