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狙いに行くのが苦手な人向け【バズる文章教室】

単刀直入に言います。
「マニアックな文章術の本」と感じました。

表紙のイラストや文体はかわいらしさとは裏腹に
その印象とは裏腹に、視点がマニアックです。
文章の構造とか、リズムとか。

森鴎外などの文豪からアイドルまで
様々な書き手の文章を解説してます。

始め、audiobook.jpで購入したものの、
気になって紙の書籍まで買いました。

どれも興味深く、面白かったのですが、
その中からわたしのイチオシ3つ紹介します。

・問いを共有する。

どういうわけか洗面台がビシャビジャになるんです。

p31 バズる文章教室

こちらは星野源さんの文章からです。
共感の基本戦略である「問いの共有」を
効果的に使っていると著者は指摘。

この問いに読み手を巻き込んでいきます。
「なんでなんで?」と
ついつい最後まで読んでしまいます。
書き手である星野源さん自身も
この答えを見つけられません。

「問いの共有」だけで、
読み手に最後まで読みたいと思わせるのは
すごいです。

・ひらがなで印象を変える

「漢字にしようか、ひらがなにしようか」
日頃文章を書きながら、迷うことがあります。

漢字を変換すれば出てくるけど、
完全に「書き手の美的センス」に
ゆだねられると感じます。

向田邦子さんの文章は、
バランスが絶妙と著者は指摘。

考えたこともなかったのですが、
「ひらがなはゆっくり読ませる」ものです。
漢字とひらがなの読むスピードを意識したことはありませんでした。

そう言われてみると、
確かに漢字だと早く読めますね。

・「真面目」と「脱力」を組み合わせる。

「ファーストキスが太宰の命日」
大人気のアイドルがリリースしても絶対に売れない曲のタイトル。

p294 バズる文章教室

又吉直樹さんの『第2図書係補佐』の一文です。

「ファーストキス」と「太宰治の命日」…。
「その組み合わせおかしい!」と
つっこまざるをえまさん。

「違和感」に人は面白みを感じることを
著者は指摘しています。

他に例をあげれば、
「強面の人✕チワワ」
「ギャル✕弁護士」
「見た目は赤ちゃん✕中身はおっさん」など
※本書を基にして考えてみました。

実際考えてみて、
その言葉の一般的なイメージがわからないと、
違和感のある言葉の組み合わせは作れないと実感。

・感想

タイトルに「バズる」が入っているため、
テクニックを駆使して、
狙いに行くイメージがありました。

しかし、本書はそれとはかけ離れています。
大切なことは、「自分の文章がいかに読み手に楽しんでもらえるか」でした。

「楽しんでもらう」ならできそうと思った一方、
「読み手に楽しんでもらえる文章を書けているだろうか」と振り返りました。

以上、ちえでした。
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