現在に近づいている【漂流日本左翼史 理想なき左派の混迷 1972-2022】池上彰、佐藤優著
読むにつれて「現在に話が近づいてきてる」と実感しました。
国鉄のストライキは、リアルタイムで見聞きしたわけではないので、あまりピンときませんでした。
発売されたのが2022年7月。ちょうど1年前です。
後半になると最近の出来事になるので、「ついこの前の話」と感じました。
SEALDsやヴィーガン、環境活動家について触れられていました。
後半だけ読むのもアリかもしれません。
・学ぶ必要性が増してきた
お二人の発言の端々に「過ちを繰り返さないためにも、今のうちに日本左翼の歴史を学んで欲しい」と読者に訴えているのが伝わってきます。
同シリーズ3冊目です。年代順に読んできました。
確かに私の祖父母から親世代までは、学生運動や労働運動が盛んでした。
しかし、今はどちらも聞きません。
諸外国でデモが起こっても、日本ではあまり起こってるイメージがありません。
過去と現在があまりにも違うので「同じ出来事を繰り返すとは思えない」が正直な感想です。
しかし「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」という言葉を聞いて「どんな形で韻を踏むんだろうか」と警戒してます。
・貸布団屋が繁盛してた
タイトルを見ても、何のことか全く想像ができませんでした。
国鉄の労働組合に関する話です。
ストライキが起こると鉄道が止まります。
当時多くの人たちは鉄道で通勤してました。
もし今、同じようなことが起こったら「動かないんだから、仕事も学校も休むか」と割り切るような気がします。
しかし、当時の会社員は企業戦士と呼ばれていました。
家から鉄道なしでは通勤できない、でも仕事休むわけにはいかない。
だったら会社で寝泊まりしようという発想になりました。そこで貸布団屋が繁盛したそうです。
どれだけの人たちが寝泊まりしていたんだろうかと思うと驚きました。
・環境保護のイベントに参加した話
2020年コロナ騒動が起こってからは、下火になった印象です。
その前年の2019年頃まで、環境保護をうったえるイベントをよくSNSで見かけました。
実を言うと、2019年に参加したことがあります。
当時まだ1歳だった長男を抱っこ紐に入れての参加。
そのイベントは9月の下旬。
さすがに夏に比べたら涼しくなってました。
それなのにも関わらず、イベント発起人が「浴衣を着よう」と提案したため、着てる人がいました。
正直なところ、「寒そう」と思いました。
主催者の中で美容師さんがいました。
希望の方はヘアメイクと着付けまでやってました。
さすがに私はそこまでできないので、私服でした。
実際に参加して、「こういう活動が一般の人に受け入れられない理由が分かった」と思いました。
「何なんだろう?この違和感」と当時思いました。
今言語化してみたら「カルトっぽさを感じた」です。
まさか環境保護活動の話が、左翼史の本で触れられるとは、思いませんでした。
・ヴィーガンについて思うこと
一緒に参加してした人の中には「牛肉の消費量が多いから、地球温暖化が進んでる」と主張する人もいました。
牛から発するメタンガスが、地球温暖化の一因というのが根拠です。
宗教上の理由で動物性食品を食べられない人がいるのはわかります。
そうではなく「動物がかわいそう。人間のエゴだ」と言い切る人もいました。
どうしても私は彼らに対して、納得できないことがあります。
「動物の命を搾取するのはよくないのはわかる。しかし、植物はいいのか」と矛盾を感じずにいれません。
この矛盾に対して、納得できる説明をした人を見たことがありません。
もし納得できる答えを持ってる人がいたら教えてほしいです。
・感想
まさか左翼史の話で、環境問題やヴィーガン、アニマルライツなどが登場するとは思いませんでした。
この活動に参加してる人の中で左翼史について、わかってる人はどのくらいいるのだろうか。
この本を読んだ人を除いてはほとんどいないと思います。
2019年に参加したイベントで感じた違和感が、こんな形でわかるとは思いませんでした。
「韻を踏む」という言葉を聞いて「今はインターネットへ SNS が盛んだから、ネット絡みで理念に共感する人が集まって、こういう活動が起こるのだろう」と予想してました。
今の時点で正解は分かりませんが、大きく外れていないことを実感。
不満のはけ口が暴力的な形で現れないように警戒します。
以上、ちえでした。
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