ツバキ文具店の続編『キラキラ共和国』を読んで
『キラキラ共和国』 著者 小川糸
2017年本屋大賞受賞の「ツバキ文具店」の続編となる本書。前作をAudibleで聞きいたので、直接ページをめくりながら世界観を味わうのもなかなか良い感じ
ちなみにAudibleの朗読はドラマで主演の多部未華子さん ドラマは観てないのでいつか機会があれば観てみたいなと思ってます。
鎌倉にあるツバキ文具店を先代の祖母から受け継ぎ手紙やハガキの代書も行う鳩子(ポッポちゃん)
母がおらず祖母に厳しく育てられた鳩子は高校時代には、ギャルに変身。うちを出て暮らしていたが、祖母が亡くなり家に戻ることに。
そこで出会った人々との繋がりと祖母への想いの変化を丁寧に描いた作品。
最近、読む本の多くが、ひとつの物語でありながら、1章ごとの語り部が変わるというパターンが多かったので、ひとりの主人公はちょっと新鮮な感じ
鳩子目線で語られることで、代書を頼みに来た人たちの、その後をもう少し詳しく知りたいかもなんていう思いもあったりしたけれど
(あくまでもAudibleで聴いた印象)
それでも、手紙を書くための紙や筆やペン選び、使う切手にまでこだわるそんな描写文具好きにはたまらないだろうななんて感想を持った。
ちなみに余談では、あるけれど
私はその域には達成していない。
もちろん、そうなって自分の首を絞めるのはまずい。(出費が、かさみそう)
今だって、ノートを書くときのマスキングやシールをつい買ってしまうのだから(笑)
本題の『キラキラ共和国』では、
挿し絵のように、手書き文字の手紙が文章に取り込まれて、その「やり口」に参った。
それを書くまでの鳩子の気持ちの動き
前作同様、紙やペンに依頼者の気持ちを投影する様子
付け加えるならば、
若い葉っぱを摘んでお茶を作るとか
お粥に金柑とさつまいも入れるとか、
そんな食べ物の描写にも惹かれる。
前作では独身だった鳩子の結婚生活が土台となり、新しい家族となった娘や夫を思う気持ち、
と、全体的に流れる雰囲気
感謝することの大切さや
亡き人とのこころの通わせ方
自分の気持ちや、姿勢をほんの少し正したくなる。書くことが好きな人にオススメの本です。
最後に鳩子の言葉を
キラキラ、キラキラ。
私達は、いつだって美しい光に包まれている。だから、きっと大丈夫だ。
私にはキラキラある。
同じく小川糸の「ライオンのおやつ」のついての記事をあげています。↓