論理と感性の融合する哲学:シモーヌ・ヴェイユ
みなさん こんにちは!
今週は早稲田哲学運営スタッフのはな🌸から、おすすめの本を紹介します。
わたしのおすすめは、今村純子先生の編訳でおくる『シモーヌ・ヴェイユ アンソロジー』です。
シモーヌ・ヴェイユというフランスの女性哲学者が残した論考を集めたアンソロジー、なんといってもその魅力はヴェイユのたしかな論理と鋭敏な感性によってまとめられた美しい文章。
わたしはヴェイユの文章を初めて読んだ時から、彼女の哲学のとりこになりました。
哲学というと論理のかたまりで難しく男っぽいものだと思っている方が多いのではないでしょうか?
哲学において論理はたしかに重要なものです。
しかし、カントやロールズなど多くの哲学者が<直観>から理論を生み出しているのはご存じだったでしょうか?
そう、哲学には論理だけでなく、豊かな感性が必要なのです。
ヴェイユの論考は、知性と感性の溶け合う豊かな哲学です。
アンソロジーの中でもイチ押しの論考が「人格と聖なるもの」。現代は「人権」という概念が普及していますが、「人権」には根拠があるのかないのか分からないという実情があります。だって、「人権」は世界人権宣言によって一方的に宣言されただけのものだから。
でも、人間にもしも本当に不可侵の領域があるとしたら?
ヴェイユは人間の不可侵の領域<聖なるもの>を意外なところに見出します。
ヴェイユの論考は哲学初心者でも読みやすいので、気になる人はぜひ手に取ってみてください♪