時を待つ心は、春を待つ桜の姿といえよう。【随筆:道をひらく】より
私のすきな本の一つに、『道をひらく』があります。
パナソニックの創業者、松下幸之助さんの随筆です。
この本の中で、特に心に残った話があります。
そのタイトルは、「時を待つ心」です。
この話の中から、一部分ですが抜粋します。
〇 この随筆と出逢った頃
この随筆を初めて読んだのは、約十数年前、私が29歳の頃です。
その頃、私は新卒から勤務していた百貨店を急遽辞めることになりました。
次にどんな仕事をするか、未定の状態でした。
そんな中で出会ったのが、この本です。
「時を待つ心」のページで、
「時を待つ心は、春を待つ桜の姿といえよう。」
という文章が心に残りました。
子どもの頃から「頑張らないと!」の視点ばかり気にして頑張ってきました。
高校も大学も就職も・・。
でも、百貨店を辞めた時、ちょっとケンカ分れのようになり、キャリアが一瞬で消えたように感じました。
「仕事を辞めたけど、すぐに次のキャリアを見つけないと。結果を出さないと。」
と、焦っている部分もありました。
「時を待つ心」のページを読んで、
「そうか。わるい時が過ぎれば、よい時は必ず来るんだな。静かに時が来るのを待とう。」
と、春を待つ桜のような心持ちでいようと思いました。
そうすると、心の中の焦りが少し消えていったような気がします。
〇 その後
その後、2年間かけて教員免許を取得&教員に転職しました。傍から見ればとても時間がかかったように見えたかもしれません。
でも私の感覚では、「春を待つ桜」のような心持ちでした☺
教員に就職した時、今までの努力が実って、桜が満開になった感じがしました。
しかし、その後もキャリアの中では色々な展開が待っていました。
人生もキャリアも四季のようなもので、ずっと冬も続かないし、ずっと春も続かないと感じています。
冬→春がくれば、夏→秋がきて、また冬がやって来ます。
でも、人生やキャリアの冬のような時期・・
「なんか物事が停滞しているなあ。人生の準備期間というか・・。」という時があったとしても、焦らずに。
その時期は、春を待つ桜の姿なのかもしれません。
未来のためにできる事。
それは「時を待つ心」を持つ事だと思います。