「あの紀州梅」とは、まだ再会できていない
私は、紀州梅がすきです。厳密には、7歳頃におばあちゃんと一緒に食べた「あの紀州梅」がすきです。
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子どもの頃、冬になると親戚がよく「こだわりの逸品」みたいなお歳暮をくれました。毎年内容は変わります。
7歳頃、お歳暮で紀州梅をいただきました。
両親はそんなに梅を食べないので、私と、同居している祖母で食べることにしました。
私はおばあちゃん子で、よく2人で色々な話をしました。午後のおやつタイムには、おばあちゃんが「一緒に食べようや~」と食べ物を用意してくれて、まったりとお喋りしながら何かを食べる日々。
おばあちゃんと、お歳暮の紀州梅をあけてみました。
紀州梅は木箱に入れられて、二段仕様。木箱をあけると、まん丸な紀州梅が綺麗に並べられていました。
私は7歳で、まるまる一つの梅を食べると多いかもしれないので、その日から、おばちゃんと一粒を半分こして食べることにしました。
「じゃあ食べてみよう♪」
紀州梅って、、こんなに美味しいの!?✨
その紀州梅は、辛すぎず、酸っぱすぎず、いい塩梅です。ほんのり、梅のいい香りもします。
すぐに食べてしまうのはもったいないので、半分の梅を少しずつ食べました。
そこからわりと毎日、夕方のおやつタイムに半分こした紀州梅を食べました。
2段重ねの梅の量はけっこうあり、しかもおばあちゃんと半分こだから減りが遅く、1~2ヶ月くらい食べたような記憶があります。
「この箱にある梅を食べきったら、もう紀州梅のおやつタイムは終わりか~」とちょっと寂しい思いもしながら。
暫くして梅は食べきりました。
「もう一度、あの紀州梅食べたいなあ」
とも思いましたが、当時7歳だったので親戚に何処のお店で買ったか聞き逃し・・
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何年かして、親戚に紀州梅を買ったお店を聞いたこともあるのですが、「どこだったかな?忘れたな~」という回答でした。
「あの紀州梅、もう一度食べたいなあ」という気持ちが心の底に残っていました。
あの紀州梅・・ヒントは、木箱に入っていて、まん丸な梅、ということだけです。大人になって、物産展やデパートで「木箱に入った紀州梅」をみつけると、何度か買ってみました。
あの、おばあちゃんと食べた紀州梅の味を期待しながら。
しかし・・未だに、「あの紀州梅」には再会できていません。
当時の紀州梅のお店が、もう梅を作っていないのか?
単純に、うまく探せていないだけか?
それとも、おばあちゃんと半分こした思い出が、梅を美味しくさせていたのか?
本当のところはよく分かりませんが、「あの紀州梅」に再会できたらなあ・・と思いながら過ごしています。
#おじいちゃんおばあちゃんへ