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【弥助やないかい】ただの歴史小説が史実になりそうになった話

事実は小説よりも奇なりと言いますが、今現在それが現実になる
すんでのところで発覚し大炎上しました。

それが今話題の弥助問題です。

日本大学法学部外国語科准教授の肩書を持つトーマス・ロックリー氏は、弥助という歴史上の人物を元にして書いた小説が注目を浴びたことをきっかけに積極的にその情報を各種メディアで発信しました。

その結果、世界中で黒人侍弥助に関するデマが宣伝され認知されるようになり
UBIソフトが手がけた新作ゲーム アサシンクリード・シャドウズが発表され
それが大炎上し

全ての騒動の元ネタを世界中でばら撒いた
このトーマス・ロックリー氏の存在が広く知れ渡ることになったのです。

「ソースは俺」を地で行った男

トーマス・ロックリー氏は何年も前から弥助に関する研究を行っており
2015年からは、彼の未公開論文を元にして英語版Wikipediaの弥助に関する内容を自身の主張通りの内容に改変していたことが編集履歴から発覚しました。

以降発表された2冊の著作では、内容が実在の人物を元にしたフィクションであるのにも関わらず
ノンフィクションとして世界に発信

その内容を信じた海外のWOKE(目覚めた人)や黒人コミュニティーで拡散され
伝説の黒人侍弥助として認識され、数々の存在しない創作上の武勇伝が広がってしまいました。

たまたま冗談で書いたフィクション本が、事実だと勘違いされて広まったと言う話ではなく

著作の一部内容を読むと分かりますが、ほぼ推測で書かれていながらも史実かのように語っています。

また、各種メディアのインタビューでも史実と異なる自身の憶測と推論で話をしていますし、今回のアサシンクリード・シャドウズもその内容を元にしていると見て間違いないでしょう。

日本人が黒人奴隷を買っていたと言うデマを広げた男

彼の著書である信長と弥助 本能寺を生き延びた黒人侍
では、日本の権力者が黒人奴隷を積極的に買っていたと言うソース不明のデマを記載していた事が発覚しました。

結構このイエズス会のスタンスを誤解している人が散見されるので一応解説すると

イエズス会が奴隷制に反対していたと言うのは事実のようです。

実際アメリカ大陸に派遣された時は先住民の権利を主張し、奴隷狩りから守るためにブラジルとパラグアイに保護統治区を作ったりしていました。

しかし、俯瞰的に見れば彼らの布教活動と同時にポルトガル商人も新天地での商売のために一緒にセットでついてくるのが普通で
現地民に現地民を売るように交渉したり、攫ったりして得た奴隷で稼いでいたと言う事実があります。

無論これは偶然ではなく、これはイエズス会と言った宗教組織と言う単位ではなく
国家単位での侵略メソッドとして広く使われていた手法です。

奴隷や特産品による利益とキリスト教布教による勢力圏の拡大が目的です。

イエズス会なども結構抵抗していたようですが常態化していたようです。
この奴隷制への反対や抗議活動は、奴隷商人や利害関係にある政府高官から目をつけられ後に国から迫害を受けることになります。

豊臣秀吉が日本人奴隷の事実を知らされ、宣教師のガスパール・コエリョに詰め寄った際に

コエリョが前述のように奴隷制は容認していないが阻止できなかったと言う内容(意訳)を話すも聞き入れられず
また、秀吉がキリシタンの勢力拡大を危惧していたこともありバテレン追放令へと繋がります。

しかし、後者の日本の権力者が黒人奴隷を買っていたと言う話はソース不明でデマの可能性が高いです。

おそらく当時のシャムやマカオと言ったポルトガル占領地などで流行っていた権力者が奴隷を見せびらかす風潮があり
それと混ざったのでしょう。 

日本人がポルトガル商人に奴隷として数多く拉致されたと言うのは記録に残っていますが、日本へ黒人奴隷が輸出されていたと言うのはソース不明です。

確かに出島などに黒坊は少数居たようですが、それが黒人奴隷で、また奴隷として日本人に仕えていたのかは不明です。

当時の黒坊と言うのは東南アジアの人々も含まれているので
日本人が奴隷を買っていたと言う根拠にはなりません。

これは黒人奴隷の責を日本にも被せようとしていると取られても仕方ないと思います。

しかし、これが憶測や虚言であるならば、かなり致命的な日本人への侮辱です。

ソースがあるのであれば謝りますが無ければ消し炭なるレベルの炎上確定です。

デービッド・アトキンソン氏はこの主張の擁護をしているようですが
納得いくソースを出して欲しいですね。

どちらにせよ地獄めいたアトモスフィア確定ですが…

最大の被害者は弥助

このトーマス・ロックリー氏の主張する弥助最強伝説から始まった騒動は
世界中の弥助を好意的に思っていた人々を騙し、貶めました。

現にこの騒動は海外でも発信され、大炎上しています。

当の本人は捨て台詞を吐いて逃亡
追記: つい最近ブリタニカ百科事典を編集していたことが発覚

日大側もゲームのことだからと静観するとの噂があるので
トーマス・ロックリー氏本人が公の場で話さなければ収まらないでしょう。

この一連の炎上騒動によって一番傷つけられたのは弥助本人の名誉です。

もはや弥助はもらい事故的に炎上の火種にされてしまいました。

せっかく日本史上、珍しい元黒人奴隷の異例の出世を果たした珍人物なのに
盛りに盛られまくってもはや天下人にされてしまいましたからね。

あれ?これ、やんごとなき方々にも喧嘩売ってる…?

フィクションで盛るのは良いにしても史実と言うのは話が別ですし、今回の件は相当に悪質です。

真実の中に嘘を混ぜ込むのは詐欺師のやることですし、それを散々利益のために利用して既成事実化しようとしたWOKE達(目覚めた人々)も同罪です。

弥助でもええねん

別に嫌いじゃ無いねん

問題はそこじゃ無いねん

ゲームとかの次元じゃないねん


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