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始まりの場所

二人の気持ちが
一時の高まりなのか
そうでないのか
確かめたくて

逢瀬のときに
あえて
ベッドに行かず
美しい高原に来た

静かで
穏やかな光が
私たちに降り注ぎ

空には
虹が出ていて
何かの祝福のようで

澄んだ風が
私たちを薄く削っていく

その削りかすは
また
風に乗り
山を下り

そこかしこに
散らばる

アスファルトの道の隅に
溝の落ち葉溜まりに

私たちの
痕跡が
積もっていく

そんな感覚のなか
静かに
ときを過ごして

求め合う理由が
性欲だけではなく
その
奥深くから
熱く激しく強く真っ直ぐに
出てくる感情だと

うん
これが
最後の恋だと
そう
確信した

そのあとは
その
心のままに

進んでいくだけ

おろかな
人間として
ただ
心に素直に
生きていくだけ



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