【読書】編集思考
◆「編集思考」を読む目的
・新しいビジネスやアイデアの作り方を学ぶ
・起業のアイデアにつなげる
・NewsPicks初代編集長 佐々木さんの考え方を学ぶ
◆「編集思考」の要点・まとめ
○なぜ『編集思考』が必要なのか?
多様性の価値が求められている時代において、「横串」で物事を繋ぐ思考が求められているから。
○今の日本の組織には「縦割り」の文化が蔓延っている。
「縦割り」とは組織の官僚化。全体よりも自己の利益を優先してしまう。組織の個別独立性が強く、お互いの組織間で協力体制が希薄な状態である。
○「縦割り」の組織を打破するために、「横串」で物事を繋ぐ『編集思考』が必要
「横串」とは、本来の目的の達成のために、ある形にとらわれずゼロベースで必要なものをつなげ直すこと。
○『経済✖️テクノロジー✖️文化』のトライアングルを軸に編集思考を駆使することが、これからの時代に躍動し、日本を変えるカギとなる
これからの時代は、「金融」、「テクノロジー」そして「文化」の3要素を上手く調合させ、横串で多彩な価値を生み出す編集思考を駆使したビジネスが日本を救う切り札になる。
○『編集思考』とは「セレクト(選ぶ)」「コネクト(つなげる)」「プロモート(届ける)」「エンゲージ(深める)」の4つのステップによって、新しい価値を生み出すこと。
ヒトやモノやコトのいいところを形にして、何かと繋げて、新しい価値を生み出す手法。同じ素材でも編集で価値は何倍にも高まる。
○セレクトの3つの法則
①いいところだけを見て、惚れ抜く
②直感をダブルチェックする
③両極に振る
①他の人にはまだ見えていない価値を発掘するために、「好き嫌いの軸」をしっかり持ち、一度自分が惚れたものは、とことん惚れ抜く。
②惚れたという「直感」が正しいか、現場と論理と他人の目で丁寧に検証する。
③一方では自分と共通性が高く、距離を近づけやすいタイプのものを取る。もう一方では、自分とはほとんど共有するものはないものをあえて取りに行く。
○コネクトの3つの法則
①「古いもの」と「新しいもの」をつなげる
②「縦への深掘り」と「横展開」でつなげる
③文化的摩擦が大きいもの同士をつなげる
①これからの時代にカギとなるのが、「経済✖️テクノロジー✖️文化」の融合。文化は時が経てば経つほど熟成して味が出てくる。そうした色気を「新しいもの」と結びつける。
②「専門」(縦への深掘り)と「教養」(横展開)を組み合わせて「T字型」のバランスを大きくする。
③ビジネスにおいて、似た者同士の融合から新しいものは生まれない。文化的摩擦の多い異業界の組み合わせや文化が正反対の要素の組み合わせの方が爆発力がある。
○プロモートの3つの視点(3T)
①Timeline(時間軸)
②Thought(思想)
③Truth(真実)
①タイミングを見極めることが大切。いかに素材をうまくつなげても、タイミングを誤ると全てが水泡に帰す。優れたプロデューサーや編集者やマーケターほど、時間軸にこだわる。
②深い思考を経て体系化されたもの。想い・こだわり・哲学などが練り込められた「アイデア」や「コンセプト」が多くの人にも受ける。Thoughtの力らを磨くためにも、歴史や哲学に裏打ちされた教養が欠かせない。
③その人ありのままの姿を、取り繕わずに伝えていく。信用を得るためには、人前に自分が顔を出して届けることが重要。
○プロモートの4つの視点(4C)
①Communication(コミュニケーション)
②Community(コミュニティー)
③Consistency(コンシステンシー)
④Casual(カジュアル)
プロモートの「届ける」が済んだら、その後にどういう関係を築いていくかが重要。エンゲージ「深める」が編集思考の最後のポイント。
①より深いエンゲージメントを築くための切り札。いかに顧客との接点を増やせるか。そして、相手のかゆいところに手が届くようなきめ細かなコミュニケーションの質が大切。
②コミュニティは『関係の深さ』『質』『ファン数』の3つの次元で定義される。
③エンゲージメントを高めて長く深く関係性を築くためには、『信頼』と『共感』が大切。その際に、日々の行動の基準となる思想や哲学の一貫性がこれまで以上に問われる。
④密度を濃くして付き合うだけではなく、フラットで柔らかい関係が大切。つかず離れずの絶妙な距離を取りながらエンゲージメントも高めていく。
○編集思考の土台となる3つのリソース
①教養(知のネットワーク)
②人脈(人のネットワーク)
③パワー(権力と権威のネットワーク)
3つの能力が高まれば高まるほど、「セレクト」「コネクト」「プロモート」「エンゲージメント」の威力と精度が高まる。
◆アクションプラン
・街中にあるお店、商品、サービスを観察して、不完全なもの、組み合わせたら面白そうなものをメモする。
・哲学分野の本を読む。(2020.12〜)
・幅広い教養を身につけるために、読書を継続させる。
・YouTube等を利用して、動画を配信する。(2021.4~)
(そのために、動画編集・制作技術を勉強する)
◆メモ
編集という技術はメディア業界の外でこそ輝きを発揮する。全てのビジネスパーソンが編集を身につければ、日本はもっとおもしろくなる。
日本は編集する素材の宝庫です。街を歩いていても、誰かと酒を飲んでいても、「これとあれを組み合わせたら、面白い化学反応が起きそう」という「新結合」のアイデアがひっきりなしに湧いてきます。
なぜ多くの人達が、閉塞感を抱いているのでしょうか。希望を見つけられないのでしょうか。それは、「思考の檻」にとらわれているからだと思います。親や会社や友人や世間が敷いたレールに縛られすぎて、自分の頭と心が自由に動かない。「こうあらねばならない」という固定観念が「思考停止」と「感情停止」と「行動停止」を併発してしまっているのです。
編集思考で大切なことは、完璧なものを見つけようとせずに、デコボコな個性をくっつけて「組み合わせで完璧を創る」という発想に切り替えることです。
20代のうちは、1つのフィールドで自らの腕を磨き抜くのもお薦めですが、一度軸ができたと思えたら、好き嫌いと戦略に応じて、早めに逆展開していく方がいいでしょう。なぜなら、全く強みが通じない他流試合こそが、正確な自己認識をもたらすからです。
今度、コンテンツ世界で起きるのが、活字と映像の融合です。両分野も近いようで、遠い。文化の摩擦が大きい領域です。
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活字、映像、イベント、音声など、越境型のコンテンツを生み出せる人のニーズが高まるのは間違いありません。
真実を伝える上で、今後重要になるのは、「しゃべり」です。これからは、語る力、とくに対話する力が欠かせません。
最初に特定ターゲットへ縦に深く刺して、そこから徐々に横に広げていく。この戦略は、今後あらゆるビジネスの定石となるはずです。
「教養がある」とは「最先端」と「普遍」の引き出しを多く持っている状態とも表現できます。
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テクノロジーなど外部環境が大きく変わるだけに、古代からさして変わらない「人間」や「社会」の本質を見つめる必要があります。変化時代だからこそ、逆説的に時代を超えた普遍性が際立つようになるのです。
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歴史や古典や学問的知識やデータを深掘りして、普遍性のストックをとにかく増やす。その上で、時代性をつかむために、心身をフル回転して、今という時代を感じる。この最先端と普遍お往復運動こそが、個の「創出力」を育むのです。
教養を現実に活かすための触媒となるのが「人のネットワーク」です。ビジネスでも、人生でも、年齢を重ねるほど、人脈がモノを言います。顔は男の履歴書と言われますが、人脈こそが人生の履歴書です。