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THE CHATSUBO PEOPLE

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Chatsuboに出入りする、都市遊泳者たちのつぶやき。街のあちこちで、彼らの眼が風景を鮮やかに切り取る。敷衍された《俳句》としての、140文字のつぶやき、ともう少し長いスケッチ。
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#落合陽一

千葉雅也のように、無意識で、無意識を、書く。

千葉雅也が「無意識で書く」ことについて記事を書いている。 ここでの「無意識で」というのは、「万年筆で」とか、「ポメラで」とか、そういうツールを指しているように響く。おもしろい。 「ヒプノティックにトランスした状態になって書く」というのとは多分、違う。 千葉は次のように書いている。 このパラグラフにはとても励まされた! どうしてかと言うと、ちょうど昨日、わたしもそのようなことを念頭において小説の1シーンを書いたからだ。 作家であるFHという人物が、他者に自分の無意識領域

京都は質量を憧憬している。あるいは〈新蒸気波〉という潮流。

Vehicle社の壺井です。 京都は質量を憧憬しているという、落合陽一氏のnoteがおもしろいので紹介します。 京都は質量への憧憬に満ち溢れている。 確かにそうだ。 京都は形を持たないものの総本山的な場所だ。真言とか、曼荼羅とか、風とか、祈りとか。侘び寂びとか。 そんな非質量的空間である京都にあって、質量への憧憬を一手に引き受けるイコンは、あのギトっと罪深いラーメン、および禍々しく異彩を放つ店の看板! ご存じの通り、京都には質量のない豊饒さがたっぷりある一方で、人々は

アルジズの夏の推薦図書/ Algiz's summer reading

アルジズです。草野原々の『最後にして最初のアイドル』を読みました。 あちこちに振り回される移動の感覚が、非常にスピーディかつ新鮮で、面白かった! 全体の印象は、ピンチョン味に溢れている。 ほかに似ていると感じたのは、「彼だけが、本物の中二病である」と宇野常寛に言わしめた、〈現代の魔法使い〉たる、落合陽一の熱気に浮かされたような語り口。 それから、法華経や、華厳経を連想させる修辞に満ちていて鮮やかだ。 経文の世界では、時空のスケールの想像の及ばなさを強調するときに、とにか