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おむすびが人生を変えた話

ほんの小さな心遣いが、ひとの命を救うこともある。

相手を思う真心が、人生を変えることもある。


今日は佐藤初女さんの『いのちの森の台所』(集英社)の中で、とても衝撃を受けた所を紹介します。

・おむすびで自殺を思いとどまった青年


様々な悩みを抱えた人と共に食事を作っては共に食べる活動をされていた佐藤初女さん。

その中には、死ぬことしか考えられない状態の人も時々やってきたそうです。

ある日、身辺整理して死のうとしていた青年を心配した家族が、初女さんにとにかく会わせたいと、半ば強制的に行かせました。

その夜、泣きじゃくる青年の話を明け方まで聞いた初女さん。

すると、家族から電話があり、状況を説明すると、「私たちは覚悟をしているから、帰してください」と言うので、おむすびとおかずを詰めて駅まで送っていったのです。

すると、その夜、家族から「なにをしてくださったのですか?元気になって帰ってきました!」というではありませんか。



初女さんは、その理由がわからず、あとになって、その青年がみんなの前で語ったそうです。



それは━



お弁当を開いたら、おむすびがタオルにくるまれていたから、と。




初女さんは、おむすびを持ち歩くとき、ラップやアルミホイールでは、海苔もごはんもふやけて味が変わるため、タオルで包むそうです。



起毛した糸が熱を吸収し、おむすびの味が変わらないからと。


青年は、それを感じとったのです。



自分を思う人の心に打たれ、なんてバカなことを考えていたのだろうと、胸に突き刺さる思いがしたと━。



小さな思いやりが、親切心が、人生を変えた体験談を読み、日々の自分の行動を振り返ってみました。


何が人の心に響くかわからないなと。


相手を思いやる心は、些細な言動に現れるものです。特に家族は、毎日一緒に居るからこそ、気をつけなければならない反面、特に子どもの成長過程においては、愛を伝えること、とりわけ真心込めた食事を与えること、共に食べることは大切だなと改めて感じたのです。




もちろん、食に限ったことではありませんが、弱ったときほど、相手を思いやる心遣いは刺さるものなので、家族が学校や会社で辛い思いをしたとき、思いやる行動をさり気なく出来る自分でいたいなと思いました。


本書には、このほか、家族や子育て、仕事、食にまつわる悩みや回答など、大事なことが詰まっているので、また取りあげたいと思います。


それでは、また。






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