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怖いけど大丈夫  〜 小さな勇者の冒険記〜

こんにちは、にゅにゅです!
今回は、恐怖を感じやすい娘が
小学校の郊外学習に
参加する日の朝のお話しを
お伝えしますね☺️



ハジマリ

朝日が差し込む部屋の中で、少女は目を覚ました。
今日はいつもと違う特別な日、初めての校外学習だ。けれど、胸の奥には何とも言えない不安と恐怖が渦巻いている。

登校班に合流して学校へ行く予定だったが、道中には「怖いもの」が待ち受けていることを彼女は知っていた。「行きたくないなぁ……」そう感じながらも、母の優しい声に背中を押され、彼女はゆっくりと身支度を始めた。

鏡の前で身支度を整え、少しだけ口にした朝食を終えると、登校班の集合場所へ向かう準備をする。「本当は嫌だけど、約束したから……」そんな葛藤を抱えながらも、彼女は一歩を踏み出した。

集合場所への道のり

集合場所へ向かう道中には、彼女が恐れている「怖いもの」が4つもある。母はそんな彼女の隣に立ち、見えないバリアのように寄り添った。彼女は母の存在に少しだけ安心しながら、一歩一歩進んでいく。
集合場所の公園に着くと、同じクラスの友達が笑顔で話しかけてきた。「郊外学習、楽しみだね!」その明るい言葉に、彼女は自然と言葉を返す。そして、じゃんけんや「あっち向いてホイ」を楽しみながら、徐々に周りの子どもたちに馴染んでいった。


学校での試練

登校班で学校に到着すると、運動場では担任の先生が待っていた。先生から準備するものを教えてもらい、クラスメイトに「おはよう」と挨拶をする。少しずつ緊張がほぐれる中、友達と遊ぶ時間もできた。しかし、負けることに敏感な彼女は、あっち向いてホイで負けた時に「後出し」と言って自分を守る場面も。それでも、友達がそれを笑いに変えてくれたことで、彼女は安心して遊びを続けることができた。

バスへの挑戦

そして訪れた最大の試練の時。
バスに乗る時間が迫り、彼女の不安は頂点に達した。「イヤだ~!ママぁ~!!」泣き叫び、バスの前で足を止めてしまう彼女。友達や先生たちが優しく声をかけるが、その場から動けない。
母は時計を見て、バスの出発時間を確認した。あと3分。この短い時間で、彼女の不安を取り除き、前へ進む力を引き出さなければならない。母は彼女をぎゅっと抱きしめながら、優しく語りかけた。
「あなたは今までにできなかったことを、たくさんできるようになったよね。今日はきっと、また一つできることが増える日だよ。」
その言葉に少しだけ勇気をもらった彼女は、ぬいぐるみを持って行きたいと母に伝えた。それを校長先生が笑顔で許可してくれたことで、彼女の顔には少し安堵の色が浮かんだ。

勇気の一歩

「ママと一緒に『せーの』で足を出してみよう!」母の掛け声に合わせ、彼女はついに左足を一歩踏み出した。その瞬間、彼女は自分の中に「本当は行きたい」という気持ちがあることを再確認した。そして、バスの中へと足を進めていく。
バスの階段を登りきったところで、幼なじみの男の子が手を差し伸べ、「こっちやで!」とエスコートしてくれた。その優しさに支えられ、彼女は自分の席に座ることができた。

親の成長と別れ

バスの中の様子を覗きたい気持ちを必死で堪えながら、母は彼女を遠くから見守った。「ここからは、彼女の世界だ」と思いながら。すると校長先生がそっと母に声をかけた。
「お母さんもよく頑張りましたね。」
その言葉に母は涙が溢れそうになったが、娘が出発するバスに向けて、笑顔で手を振った。

新たな冒険への出発

バスがゆっくりと走り出す。窓越しに手を振る娘の姿を見て、母は心の中で静かに祈った。「この冒険が、彼女にとって素晴らしい経験になりますように。」

その日の空は、晴れ晴れとした青空だった。娘の心にも、新しい一歩を踏み出した勇気の光が差し込んでいるようだった。

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にゅにゅ
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