子供のためのオルセー美術館(94)子犬のいる週末/パールピンクの似合う人・ゴンザレスとブレスラウ
おはよう
まだぐっすり寝ている子犬のいる休日の朝。
朝の日差しはまだやわらかくて、カゴの中の子犬は小さな寝息をたてながらときどきピクッと耳をふるわせます。
ゴンザレスがパステルで描いたピンクは、パールグレーとホワイトで、ふんわりますます透明になりました。
そして、子犬のタオルとリボンの青色は、朝のひんやり冷たい空気のよう。やわらかすぎるピンクの絵をひきしめます。
そういえば、ゴンザレスのあの油絵にも、青とピンク、ありましたね。
びっくりするくらい力強くてダイナミック、女性が描いたの?とみんなを驚かせた油絵。ゴンザレスはパステルでは淡く浮き上がるような優しい絵を、油絵ではマネのような現代的で主張の強い絵を描いたのです。
さて、パステルで大人気の女性画家ブレスラウも、パールホワイトの少女と犬を描きました。
ゴンザレスのパステルとはどんなところが違うでしょう。
犬の毛並みは1本ずつ丁寧に。なめらかな毛のぬくもりが少女の手に伝わってくるようです。
ブレスラウの描いたドレスは、白のパステルをジグザグにしたり横の線をいくつも組み合わせたり。ドレスがふわっとふくらんで見えるように模様を作っていきました。
ここで、最後にもう1枚。マネが描いた絵です。
気がついた? マダムの手もと。
ここにも犬が。なんか誰かの犬に似ていませんか。
マネはゴンザレスの絵の先生でもあり友達でもありました。
ゴンザレスの絵と同じ時期に描かれた絵。もしかしたらこの子犬、マネがゴンザレスから借りたのかもしれませんね。
美術館にいる犬、また探しに行きましょう。 皆さま良い週末を!
EVA GONZALES
La Matinée rose 1874 Pastel sur papier et châssis entoilé
エヴァ・ゴンザレス
ローズ色の朝 1874
LOUISE BRESLAU
La petite fille au chien blanc ou portrait de Mlle Adeline Poznanska 1891
ルイーズ・ブレスラウ
白い犬を連れた少女 1891
Édouard Manet
Le Chemin de fer 1873
Washington, National Gallery of Art, Salon, 1874 今回は参考
Antoine Vollon
Espagnol Salon de 1878 部分
お読みいただきありがとうございました。
今日はパステルで有名なふたりの女性画家と犬を取り上げました。
フランスで犬はレストランは入場OK。でもスーパーや公園は以前は入場可のところが、だんだん立ち入り禁止が多くなりました。今スイスやドイツのような犬税を復活させるかどうか議論もされています。
閑話休題、
繊細なパステル画は最初こそ女性画家が多かったですが、ドガやマネ、ルドンも作品を多く残していきます。古くミレーのパステル画は、農夫や肖像画を多彩な色で描いて当時よく売れて大人気でした。
マネの後ろ姿の青いリボンの少女の絵可愛いですよね、また改めて取り上げます。