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火曜えっせい。自民党の総裁が決定したので憲法の決まりを復習してみた

おはようございます。lotterです。
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安倍総理が辞意を表明し、新しく自民党の総裁として菅義偉さんが選出されました。

ん?待てよ?安倍総理は内閣総理大臣の辞職を表明したのに、なんで自民党の総裁を先に選ぶの?総理大臣選べよ、いないんだから。

と、少し不思議なので、憲法でどうなっているか簡単に復習しておきます!

中高時代を思い出してもらえたら嬉しいです(変態)。

1.憲法の決まり

内閣というのは国の統治機構の1つ。行政権のトップです。なので、その基本的な仕組みは「憲法」に書かれています。

今回のことももちろん憲法に規定があります。

第七十条 内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない。

「内閣総理大臣が欠けたら総辞職しなければならない」

ここでの「欠けたとき」には辞職も含むと解釈されています。ほな総辞職で決まりやないか!

その通りで、

安倍総理はまだ辞職していない

ということです。辞意を「表明」しただけ。この後自らが辞職して、内閣総辞職が起こるということです。

たぶん。なぜ多分かは最後まで読んでいただければ!

2.その後

その後は、どうなるか。これも憲法に基本的な決まりがあります。

第六十七条 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。
○2 衆議院と参議院とが異なつた指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて十日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

1項のほう。「内閣総理大臣は国会の議決で指名する」ので、国会を開かなければなりません。

そして、

第五十三条 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。

とあるように、内閣は国会の招集権限を持っているので、「総理大臣決めるからみんな集まれ」と言って、臨時国会を開きます。仲間を呼ぶコマンドです(敵も来る)。

ちなみに、「総辞職したら(総理大臣が欠けたら)必ず国会を召集しなければならない」という決まりはありません。

憲法に、

第七十一条 前二条の場合には、内閣は、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行ふ。

と書いてあるから(前二条というのが、内閣総辞職する場合です)。

選ばれるまでそのままなので、大した問題ではない・・・わけないだろ!と思いますが、国会と内閣は一応独立しているので、憲法上は程よい距離感ということですね。

3.なんで自民党の総裁を選ぶのか?

ということで、内閣総理大臣は国会の議決で指名するのであって、自民党という単なる政党のトップ(総裁)を選んでもなんにもなりません。

国会議員のほとんどが自民党員なんだから、
自分とこのトップを国会で選ぶだろ。そりゃ。

ということで、自民党のトップは内閣総理大臣になるわけですね。めでたしめでたし。

といきたいところですが、せっかくなのでその憲法的な意味をもう少しだけ見てみます。

「政党」という言葉は憲法の中には出てきません。なので、与党とか野党とかという言葉も出てきません。

つまり、

政党ベースでいわゆる国会運営が行われることは、
別に憲法上の要請ではない

ということです。政党なんてなくたっていい。あくまで、実際上そうなっているということです。

ただ、憲法は、国会と内閣について独立させながらも連動させるタイプの「議院内閣制」を採用しています。そして、憲法は結社の自由も保障しているため、政治的な結社として政党が存在することを当然予想しているわけです。

かくして、国会議員の過半数(これで大体のことは決められます)が所属する「政党」は、国会の内閣総理大臣指名権(議院内閣制の現れの1つ)を事実上持つことになり、政権(基本的には行政権)をも担当する「与党」になる。

という出世魚的なストーリーです。そして、憲法はそれを予想し、許容しているわけですね。国会と政権がつながるなんて許さん!もっと離れていなさい!という頑固オヤジみたいなことは言わないということです。

いかがでしたでしょうか?

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