小論文の作り方(ざっくり)
高校入試、大学入試、大学院入試、昇任試験など、どこかで書かされるであろう小論文。どんなテーマだろうと共通して言えそうなことをざっくりまとめてみました。途中、少々偉そうなことを言っていますが、自分への戒めを込めて書いていますので、ご容赦ください。小論文試験で悩まされている受験生のお役に立つことができれば幸いです。
受験の目的は、合格することですが、何よりも重要なことは合格後に何をしたいのか、抱負を書く場合は、まさにそれですよね。
あるテーマを与えられた時にすべきことは問題の抽出。環境問題への対応がどうのこうのと問われたら環境問題について列挙することはノルマですし、それを踏まえた上で自分はああしたいこうしたい、このように考えているという主張をまとめます。
何でも何かしらの現状抱えている課題、問題点はあるわけで、それは言い換えると言うのは簡単だけども実行するのは難しいことかもしれません。
例えば「優秀な人材の確保」と言いますが、少子高齢化で実働年齢層の減少に伴い、あらゆる業界で引く手あまたとなって人員不足が叫ばれていますよね。実際、優秀な人材の確保なんてそう簡単なことではありません。では、どうするのか、どうやってPRするのか、具体的方策が必要となってきませんか。
また、これを実行するために、こんな指針や法律がある、または最近改定された、こんな考えがされているなど記載することはほとんど定型文で、そこは勉強するしかありませんが、暗記したことに実は中身はありません。いわゆるお役所仕事がそうかもしれません。政治家が官僚が作った言葉で当たり障りのない表現で発言するアレです。ですが、あれはある意味、模範解答であり、骨格です。その骨格にどう肉付けするかにかかっていると思いますが、とにかく時間が限られているので、あまり中身のない文言は削いで削いで削ぎまくって本当に言いたいことだけを厳選して良質な論文にしたいものです。
そこで、中身のある答案にするためには、例え人の受け売りであろうと、自分で咀嚼し、噛み砕き、自分の言葉にするほかありません。誰が言ったか知らないが印象に残った言葉はパワーワードであり、そのような言葉を盛り込むことで採点者にもインパクトを与え、その他大勢の数多ある答案の中で少しでも心に残る答案になり得ますので日頃から心掛けてメモっておくといいかもしれません。批判等あれば、どこかの野党みたいに闇雲に反対したり、一目散に反発するのではなく、一旦受け止めて、飲み込んで、理解しつつ反論があれば反論する。対案を出す。プラスα、本当に自分がそう思っていることがあれば御の字です。あと、問題点については、共通して言えることは、昔っから、ヒト・モノ・カネですよね。最近だとここにさらに時間や情報が加えられます。そして、つまるところ業務管理や人事管理に直結する内容になりがちです。
ところで、グーグルで何か調べたい時に、昔はよく「〜とは」というふうに検索をかけて意味がわかるとそれで終わっていたのですが、今はあるワードを検索すると的確に意味を調べられますし、さらに以下に示すように、下の方に「他の人はこちらも質問」というのがあって、そこには関連するワードの基本とか目的など気になることがまとめられていて、タップしていくとまるで連想ゲームのように次から次に進めていくことができます。そうしていくと一周まわって最初のワードに戻ることがあって、同時に頭の中が整理されます。
論文のテーマやキーワードになりがちな、例えば、人事管理……人事管理とは組織の目標達成のため、職員が最大限の成果をあげられるような体制を整えることです。日々変化する外部環境に対応した適切な人事管理を行い、職員が最大限のパフォーマンスを発揮できるような仕組みづくりが必要ですとあります。そして、「他の人はこちらも質問」の中を見ますと人事管理のメリット……例えば、業務の効率化とかまとめられていました。で、ここで人事管理の問題点は? の中で6点挙げられていましたが、これは今まさに現代社会が直面している課題だなと思いました。先述したように、慢性的に人材が足りていない……少子高齢化に伴い、実働年齢、就職適齢人口の減少により、あらゆる業界で引く手あまたとなって、人手不足、人員不足が叫ばれています。人材が足りていないから、適切な人材配置を行えない……人がいないから育成もできない。そもそも複雑化する人事管理に業務負担が生じる。業務負担が生じるということは、ワークライフバランス、働き方の多様化に対応できない。その結果、優秀な人材を確保するどころか流出を許し、もはや歯止めがかからないような状況。じゃあ、どうすればいいのよ……って話ですよね。増員すればその財源はどうするの? ってなりますし、現有する限られたマンパワーで残業をなくして仕事するためには、やはり業務の効率化を図る? 業務の効率化を図るための業務が増えそうで、も〜、ぐるぐる目が回りそうなくらい。効率化とはその時代、時代において見直す必要があるので昔から、そしてこれからも浮上するであろう永遠のテーマなんですよね。
少子高齢化とか人的・物的リソース(資源)、予算の配分の問題、社会保障などなど、結局、これらがネックになっている。経済成長の問題、成長戦略の一環としてSDGsとか情報化社会とかIT化とかメタバースとかサイバーセキュリティとかデジタルトランスフォーメーション(DX)とかドローンとか3Dプリンターとか電気自動車とかバイオとか……最先端技術、要するに現代社会に必要なイノベーションに特化したキーワード、おさえておきたいポイントがあるはずです。以下に、一般的な小論文の型を載せておきます。イメージトレーニングになればいいなと思います。
はじめに
問題のテーマに沿って、これから自分はこのようなことを論じます。述べます。
テーマの重要性・意義
テーマに沿った内容でほとんど定型文。素直に勉強した事項を記述。
テーマの問題点
問題点を抽出。組織外(ダイナミックに変容する社会的背景)及び組織内(体質)で現状抱えている課題、ニーズを列挙。その上で何らかの意識改革が必要となってくる。ここで注意なのが、ついアレもコレも書きたくなってしまいがちですが、ここでそんなに時間をかけられないので、必要以上に書きすぎないこと。首尾一貫し、筋を通すためにも脱線することなく、問われたことだけを記述する。また、組織を批判するのではなく、あくまで現在こういう状況になっていることだけを言及する。
自分の立場・役割
そこで、学生として、社会人として、主任として、係長として、課長として、自分に何ができるか、あるべき姿、あり方、役割について述べます。
具体的方策
なるべく自分の言葉で。最も肝となる部分。採点配点も高いところなのでそれなりのボリュームで。何らかの意識改革をすることで、例えば、バラバラだったものが同じベクトルを向くとか、ある役職を中心に互いに刺激しあい、相乗効果が生まれるとか、研修等で一度勉強したことでも、もう一度勉強し直してアップデートし、リスキリングを行うとか、結果としてニーズに応え、組織が活性化されるというような前向きな言葉を連ねる。お気づきかもしれませんが、最近はグローバル化が進み、何となくカタカナを多用する傾向にあり、またそれがキーワードになっていて、文字数も稼げますし、どんなテーマだろうと是非盛り込みたいワードでもあります。
留意事項
例えば、先の具体的方策でポジティブなことばかりを述べた時に、もしもできなかったら、あるいは新たな課題・問題点が浮上する懸念などに触れ、万が一の事態にも対処・対応できるように、こんなことも考えているぞ、想定外を極力少なくする、危機(リスク)管理をもってやりますよ的なことをさらに書ければなお良し。
さいごに
だから、自分はこうするんだという強い意思を示す。決意表明。