『人生は20代で決まる』読書メモ:最後の成長期を活かせ
作者:メグ・ジェイ
ページ数:352
出版社:早川書房
読んだきっかけ
楽天ブックスでなんとなく本の物色をしていたらオススメに出てきた。
個人的な興味で心理学系の本をよく見てるんだけど、だからなのかレコメンドされた。なぜ目に止まったのかというと、僕が今年で25歳になるからだ。ポチるのは避けられなかった。
ざっくり要約
・35歳までに人生で重要な出来事は80%起こる
・20代のうちにキャリアをスタートするべし
・20代は人生最後の脳の成長期
・パーソナリティの柔軟な変化は30代までが限界
・仕事スキル、対人スキル、キャリア、人脈の構築は時間がかかる
・合理的な判断をする能力は未成熟
・嫌なことがあってもまずは冷静になって考え直す
・自信は過去の成功体験や、積み重ねてきたスキル・経験から生まれる
感想
基本的なメッセージとしては「ジタバタしないで真剣に自分の人生と向き合って、スキルを磨きなさい」というところ。人生最後の成長期なんだからシャキっとしなさいよ、と言われている感じ。
「20代」に向けた本とされているけども、実際は将来を真面目に考えてない20代向けかな?と思った。筆者は心理学博士と同時に、心理セラピストである。そんな筆者のセラピーを受けた若者たちのエピソードを交えて、20代に過ごす時間の重要性を説いている。そして、その若者はフリーターだったり、職を転々としているような人たちだ。
自分でこういう本を読んでみようと思う人は、たぶん真面目だったり勉強熱心だと思う。そんな人たちは将来を真剣に考えている可能性は高いし、本書に出てくるエピソードやアドバイスは当てはまらなそうだなと思った。
それでも20代のあれやこれやを脳科学・心理学的な視点から解説されていて面白かった。
人生最後の脳の成長期
20代は前頭葉の成長がピークに達するらしい。前頭葉は合理的な判断、不安の抑制、計画的な思考を司る脳の部位。額のあたりにある。この成長性こそが、20代が重要とされる理由の一つということらしい。
仕事のスキル向上、パーソナリティの変化、不安耐性などなど大きく影響する。つまり20代のうちにスキルを高められる環境に身をおいて、成長しておきましょうね、ということ。
正直、20歳以降は脳の成長は止まると思ってたし、驚いた。この時間を無駄にしないように日々学んでいきたい。
また前頭葉の成長期ということは、不安を抑えて冷静に考える機能も未成熟ということだ。そして本書では、20代のメンタルの不安定さを脳科学の視点から解説してくれている。
こうした解説を読むと、「若者は我慢が足りない」というのも、あながち間違ってないのかもしれない。若手社員が、職場で上司から怒られて落ちこんだり、失敗したことを気に病んだり、嫌なことがあって職をコロコロ変えてしまったりするのはよく聞く話だ。こうやって、科学的な視点から自分のことを考えるのも面白い。
大切なのは一時の感情で行動しないこと。ひとまず落ち着いて客観的に問題を見つめ直すのがいい。
自信はどこから生まれるのか
「自信」と「アイデンティティ」の心理学的な解説も興味深かった。心理学的には自信は「自分なら成し遂げられる」という感覚らしい。「自己効力感」とも言われる。
そして自信やアイデンティティは、積み重ねてきたスキルや経験、過去の成功体験、人脈など個人的な無形資産から生まれる。もうこの時点で自信はすぐ身につくものじゃないなと思った。しかもスキルは熟達するまで1万時間かかるとか。本書でも書かれていたけど、1日8時間勤務のフルタイムで5年だ。
20代は自信喪失したり、「本当の自分」が分からないと感じる人もいると思う。でもこの本を読む限り焦らない方がいいんだなと思った。こんな不安感を解決するのは地道に自分を育むしかないみたいだ。
この本は16章ほどあってアドバイスがてんこ盛りだ。ここまで書いた話以外にも、まだまだ伝えきれてない面白い話がたくさんある。
同棲する時に気をつけること、20代で結婚相手を見つけておくべき理由、恋人選びの心理学などなど。
今の僕の脳は最も柔軟な状態にあるらしいので、引き続きもっと本を読んで知識を蓄えて、興味があるスキルや分野は積極的に勉強したい。いまのところプログラミングとか、ウェブサイトのコーディングに興味がある。
あと人脈づくり、ソーシャルネットワークも取り組んだ方がいいらしいが、人付き合いはちょっと苦手だな・・・それは追々で。