4-5 あちこちいくこと
金沢では、伝統工芸品を購入する事も大きな楽しみだった。
行きたいお店はガイドブックでチェックした。
1軒目は、「漆器の能作」というところ。私はまず漆器が欲しかった。
漆器って実家に当たり前にあるけど、漆器の良さが分からない頃は本当に無関心でしかなかった。当たり前に日常生活にあるもの。実際そういう立ち位置の生活用品ではあるものの、そこにあるこだわりに気づかないというか、そういう視点を全く持っていなかった。
今年の私は伝統工芸品の素晴らしさに目覚めすぎて、漆器を自分で選んで買いたくて仕方がない。しかも大人になっているから、漆器を少し勉強した大人の視点で選びたい。
「漆器の能作」では4階の甘味処からスタートして、3階より下が展示かつお店なので、展示されている作品をとにかくゆっくりじっくり見る。もちろん店員さんへのインタビューも欠かさない。
蒔絵の小箱、きらめく螺鈿、沈金の棗、美しくて、好きなテイストが詰まっている。最初どうやってこの発想が生まれたんだろう?あまりに美しい工芸。。
上階ほど高級品で、博物館のよう。人間国宝の職人さんの作品が展示されている。貴重な作品を飽きるまで見せてもらえて幸せしかない。だって簡単に作れるものではないからね。
伝統工芸の職人さんが年々減っている。
2024年元旦の能登半島地震で被災された輪島塗の職人さんたち。。
私は3階で気に入った棗があったけど、2階に降りて、再びくまなく見ていたら、ドタイプな輪島塗のお椀を発見して、そちらを購入しました。
被災されても日々頑張っていらっしゃる輪島の職人さんの作品。声には出してないけど、心の中にある応援の気持ちを届けたい。
お椀には、沈金、蒔絵で描かれたタンポポの綿毛、、、ふんわり舞ってて可愛い、、、平面なのに何でふんわりして見えるんだろう?今、目の前にあるけど、とにかくいつも可愛い。
漆器は木材なので、普段の生活の中で水に濡らしたりお味噌汁をよそったり使用する事で長持ちするらしい。使わずに置いておく方が完全に乾燥してしまってだめになるのがはやいみたい。実際に生活の中で使用するもの、それが工芸品だと思っている。
1階では赤と黒の漆器スプーンセットを購入。
欲しいものが止まらなかったけど、2軒目もあるので、一旦お買い物を終えました。
つづく