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絵本に学ぼう

最近、下の子に誕生日プレゼントを渡した。
「えほんをたくさん。」
というリクエストで少し驚いた。
そうか。この子も私と同じで本好きだったのか。動画を観たり、絵を描いたりしていることが多かったので意外だった。
とはいえ、よく考えてみると、私も絵を描くのが好きで、いつも行く場所は図書室か本屋という子だった。そして今はじっと座ってページをめくる訳にいかないことが多く、動画サイトをイヤホンで聴きながら家事をしている。

夫に似てお笑いに走るシーンが多い子なので気付かなかったが、かなり私にも似ているではないか。
その遺伝からの訴えに応えて、日本の童話が1冊に収録されているもの。そして、本屋さんの回る棚にたくさん立ててある正方形の絵本を2冊贈った。
西洋の童話をまとめた本は、上の子が持っているので借りてもらおうと思う。

我が子がしっかりと絵本を堪能した頃、私は言った。
「ねぇ、お母さんにも読ませて。」
すんなりと了承してくれたので、助かった。
とはいえ、もし
「なんで、おとながえほんをよみたいの。」
と言われたとしても、自信を持って答えられる。
「絵本とか、国語の教科書の文章はすごく上手で、大人も勉強になるんだよ。そして、中身もシンプルだけど、すごく良いことを書いてあるの。」
とはっきり言うつもりだ。
ただ、私の書いたものすら読みたがる本好きの我が子だから
「おかあさんも、ほんがすきだから、えほんもよみたいんだな。」
とシンプルに理解したのだろう。深く追及されることは無かった。
ちなみに、下の子の語彙には無い言葉も表現もたくさん使っているつもりの私のエッセイ。やはり
「よくわからなかった。」
と言われた。
それでも、書く度に読みたがってくれるのだけど。この子は私なんて及ばないほどの、真正の本好きかもしれない。

そうして、私は無事に我が子の絵本を借りることができた。
まずは正方形の2冊の方。
1冊は「ちびまる子ちゃんアニメ絵本」、もう1冊は「シンデレラ」である。
「ちびまる子ちゃんアニメ絵本」の方は一文が短く、一行を積み重ねるスタイルの文章。短い文章だがその構成が正確で遣う言葉も状況に合ったものを的確に選んでいるからか、しっかり伝わる。
そして短い文章だけで構成されているので、グングン読み進めることができる。
あっという間に読み進んだけれど、状況はよく解るので、濃密なのに爽やかさのある読後感を味わえた。
そして
「絵本は、年齢に合わせて一文が短いのかな?低学年用の国語の教科書もそうだし。」
と思いながら次の絵本を読んだ。
だが「シンデレラ」の方は、基本的には2行の文章で書かれていた。時には1行や3行の文章を挟んでリズムの良い構成だと思う。

そして、的確に状況を伝えていたアニメ絵本の方より叙情的な面が強い。

想像力を掻き立てるのはどちらも同じだったが、その方法が全く違っていて驚いた。
だが、子どものうちに色々な文章構成に触れられるのはとても良いことのはずだ。読みながらどのタイプの文章を学び取るのか、子ども自身が選ぶことができる。

教える内容が多様で、どれを吸収するのも自由だからこそ、子どもも大人も知的好奇心を失わずに学ぼうとするのではないか。
そんなことを考えながら絵本を棚に戻した。
文章の勉強をしようと読んだ絵本だったが、今回はそれ以上の学びを得たと思っている。

下の子は、まだ作文を書いたことがない。たくさんの本からどんな文章を学び取るのか。

幼い頃とはまた違うワクワクする気持ちが、今回絵本を読んで湧いた。

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茶山茶々子
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