ディドロ効果とテンション・リダクション効果
これだけ立派なテレビですから、テレビ台もこの際に買い替えてはいかがでしょうか。
それでしたら、是非ソファーも。
そうだ、テーブルも。
あ、ベッドも。
あ、時計も。
あ、よいしょ。
あ、そーれ。
あ、どっこい。
「ディドロ効果」
水準の高い物を手に入れると、他の物や環境をその水準に合わせたくなるという心理効果。理想的なモノが手に入ると、(そのモノ)その世界観に身の回りのモノを合わせたくなる。
「テンション・リダクション効果」
高い商品の購入を検討する際に生まれる緊張感が購入後に解け、それによっていつもより警戒心が無くなり、必要以上のモノを買ってしまうという心理効果。
久し振りにビジネスシーンで役立つ心理効果を紹介したいと思います。
皆さんもこんな経験はありませんか?
お洒落な服を買うと、それに合ったお洒落なアクセサリーが欲しくなる。
お気に入りのメイク道具を手に入れると、全てのメイク道具をそのシリーズで揃えてしまう。
車や家などの高額なモノを購入した際に、突発的に様々なオプションを付けてしまう。
良いゲーミングパソコンを買ったので、マウスやキーボードもゲーミング仕様のモノにする。
最後のは僕なんですけどね。
これらは全て「ディドロ効果」と「テンション・リダクション効果」が働いています。
お店にリピーターが欲しいとか、ブランド価値を上げたいとか、売上の単価を上げたい、そういった悩みを解決してくれる心理効果です。
インテリアや高級品のみでなく、最近だとアプリの課金要素にも言える部分があります。
ラインナップされたキャラクター全て手に入れたい!
そのキャラクターに良い装備を付けたい!
そのキャラクターの全能力を発揮させる為にレベルを上げたい!
etc.
特に仕事で接客や営業を行っている方であれば、知らないと損してしまいます。
これら効果に重要なのは「緊張感」です。
商品が高額であれば高額になるほど、購入を悩めば悩むほど「緊張感」が生まれます。
※これは「マッチングリスク意識」や「損失回避の法則」など関係してくるのですが、それはまた今度紹介します。
その「緊張感」が解ける瞬間が、人を一番無防備にするのです。
※これは、脱がせるまでは緊張するが、事が始まってしまえば開放的になるのと一緒です。今余計な話をしたなと反省しています。
時間を掛けて一生懸命口説いた時ほど、悩み抜いて商品を購入して貰った時ほど、抱き合わせの商品を売るチャンスと言って差し支えありません。
「あのねえ、消費者はそんな甘くないよ」
「口で言うのは簡単だけど」なんて声が聞こえてきます。
甘い!
それは君たちが上手に相手を
「ブランディング」できていないからだ!
そう、忘れてはいけないのは「ディドロ効果」の「理想的な世界観に水準を合わせる」という部分です。
上手に抱き合わせができない人たちは、モノを売る際に、そのモノの良さを伝えるだけで、「これを手にした後の生活」、「そのモノの世界観」を提供できていない傾向にあります。
この腕時計が似合う貴方。
このパソコンを手に入れた貴方。
この車を手に入れた貴方。
この家に住む貴方。
その商品が目指す世界観と、お客様が理想とする世界観を擦り合わせる。
商品とお客様を掛け合わせたブランディング。
そこまで提案・提供して、初めて営業なのではないでしょうか。
何?
で、具体的にどうするかって?
やった事ある奴に聞けよ。
サポートして頂いた方の事は一生忘れません。 靴ぐらいなら喜んで舐めます。