これほど美しい風はないと思うの「韃靼人の踊り」より
A.ボロディンという作曲家をご存じでしょうか?
ボロディンは1800年代にロシア帝国に生まれ、作曲家そして化学者としても歴史に残る人物です。
彼の代表作といってもいい歌劇「イーゴリ公」より「韃靼人の踊り」という曲は私が人生で聞いてきた中で最も愛している曲です。
YouTube上でいろんな人が演奏しているのですが、一押しを下に貼っておきます!
有名な京アニ作品「響け!ユーフォニアム」でも使用されていましたね!
韃靼人(だったんじん)とは別名タタール人で、
中国の北の方、モンゴルあたりに存在していた一民族らしいです。
思いも馳せたことのない地域や文化をイメージした曲になぜ心惹かれてしまうのか。
特にオーボエ・フルート・クラリネット・イングリッシュホルンが織りなすようにメロディを繋いでいくパートとそこから演奏者全体にメロディーが広がっていくパートが一番好きです。
(パート別に曲名あるのかな?調べとこ)
ロシアならでは?の叙事詩的表現
モチーフとして想像できるのが、やっぱり風。
少し冷たい風だけど、おそらく草原のなかをずっと歩いてきたから気持ちよく感じるんだろうな。
帽子をぬいでほてった頭にあたった風は髪をくぐるようにして通り過ぎていく。
そんな風が想像できます。
次は木。
オーボエとイングリッシュホルンの効果なのか全体的に湿っぽさが全くない曲です。
少し乾燥していて、肌ざむい。コートを一枚はおりたくなる。
だけど悲しかったり、寂しい曲ではないんです。
周りで一緒に歩いている家族と近く遠くに見えるたくさんの枯れ木が
自分を見守ってくれているような、同情しているような
そんな木が想像できます。
最後に旅人。
ふるさとといえるまでの温かさはないし、だからといって自分を拒むような冷たさでもないし…
一番しっくりくるのが「旅人が以前滞在していた小さな町」でしょうか。
幸せばかりではない世の中を安定した心持で歩いているかのような。そんな抱擁間と不安定さが身に染みる曲です。
ボロディンが何を、どこを想像しながらこの曲を作ったのか。
いつか知りたいです。