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☆学級経営53☆学級の心理的安全性④「挑戦」
学級経営㊾の記事で、学級の心理的安全性を満たす4つの要素について、自分の考えをまとめました。今回はその中の一つである「挑戦」について、整理してまとめていきたいと思います。
「挑戦」が満たされた学級
「挑戦」が満たされている学級では、学級や級友に目線を向けて、自分が実践したいことを実現しようという意欲にあふれています。
一人一人が自分の目標に向かうことをもちろん、「学級がよりよくなるために」「級友とのよりよい関係性を目指して」など、周囲にも意識を向けて「こういうことをしたい」という気持ちを抱き、実践していくことを歓迎できます。
その人が目標に一心に向かうことや、新しい取組へのチャレンジに対して互いに受容的であり、応援し、励まし合おうという雰囲気があります。
「挑戦」を満たすためにできること
「挑戦」を満たすためにできるアプローチは、個人の内面と学級全体の雰囲気への二つの側面があると考えています。
まず、個人の内面で「挑戦」のマインドをもつために、あらゆる場面で「挑戦」を価値づけることが必要であると思います。学習や生活の様子から挑戦する姿を見出して価値づけしたり、子どもたちの挑戦によって生み出されたものを取り上げて認め合ったり、子どもたち同士で目標に一心に向かうことを応援し合ったりすることで、「挑戦」することが個人や学級にプラスの変化をもらたすということを個人レベルで実感できるようにします。
また、成功体験だけを価値づけるのではなく、失敗も価値づけることが大切であると思います。挑戦には失敗がつきものであり、失敗から学ぶことによってよりよい成長ができるということを感じられるような声掛けが広がるように働きかけていきます。
まずは、一人一人の「挑戦」に対する心理的な壁をできるだけ少なくしていことが必要になると思います。
次に、「挑戦しよう」という学級全体の雰囲気を醸成するためにできることの一つ目は、制限することをしぼり、自由度を高めることです。
学校生活上必要なルールはもちろん存在していますが、あまりにも制限が多すぎると子どもたちは新しいことに取り組みづらくなってしまいます。ここで、「制限することをしぼる」という意識が必要になるのではないかと考えています。
新たな活動を生み出しやすいように自由度が高まることで、「挑戦」に至るまでの壁をできるだけ少なくすることが必要であると思います。
二つ目は、学級の代謝をよくすることです。
上でも述べたように、挑戦には失敗がつきもであり、失敗というほどではなくても、新たな取組をすると修正・改善した方がよい部分が出てくるものです。
そこで、「このように始めてみたけれど、変えた方がよさそうだから変えてみる」ということがスムーズにできるようにします。(もちろん限度はあると思いますが)「一度決めたから」ということにこだわりすぎずに、代謝のよい状態にしておくことで、取組がよい方向に磨かれていくのではないでしょうか。このようなスタンスでありたいということを学級で共有しておくことが大切であると思います。
三つ目は、自分や相手に高いレベルを求めすぎないようにすることです。
新たな取組や個人の目標に対して、高いレベルを求めすぎると、そもそも行動できなくなってしまったり、批判的な目を向けてしまったりすることがあります。もちろん、他からの意見や助言は取組の質を高めるために大切なものではありますが、「挑戦」マインドの成熟の度合いによっては、まずは「挑戦している」ことを重視し合い、あまり批判的にならない方がよい時期もあると思います。
「挑戦」の意欲がそがれてしまっては元も子もないため、成熟度合いによって、どれほどの質を求めていくかということを教師は常に意識して見るようにし、子どもたちと共有していく必要があると思います。
このような過程を通して、「挑戦」するマインドを醸成していくことができるのではないでしょうか。
「挑戦」が満たされることで、学級をよりよくしていこうという気持ちを強くもち、自分が取り組みたいことに思いきり取り組めるようになると思います。みなさんは、「挑戦」が満たされるとはどのような状態だと考えていますか?また、子どもたちが互いに挑戦できる状態にするために行っていることはありますか?ぜひ教えてください。
ここまでお読みいただきありがとうございました。それでは。