入社後のギャップを減らす採用広報コンテンツとは?
こんにちは。ポテンシャライトです🙋♀️
当社ではこれまでさまざまな採用広報を手がけてきましたが、支援企業様から「採用広報を書いてみたものの、退職理由が私たちの当初予想で書いた採用広報題材と違うことが多いんです」というご意見をいただきました。
確かにこれまでは認知拡大の目的でのみ採用広報を書いていましたが、もしかすると別アプローチの観点から採用広報を書くことができないか?ということで今回記事にしてみました。
1. 採用マーケティングとは?
つまり、採用したいペルソナに対して、認知->検討->興味のプロセスを踏み、応募してもらうための手法ですね。採用マーケティングが騒がれ始めたのは2017年頃だったのですが、2020年頃から改めて注目をされています。
👆 こちらは「これまで」の採用活動。この部分が重要視されていました。
👆 「これから」の採用活動。応募前までが非常に重要になっています。カジュアル面談も採用マーケティングに内包されると定義しています。
また、採用マーケティングの一つの施策が「採用広報」です。
2. 採用広報について
採用広報は皆さん耳にされたことがあるかと思うのですが、「Wantedlyに掲載する社員インタビュー」これ以上の理解をされている方は少ないのではないかなと思います。
詳しくはこちらの記事をご覧ください👇
それでは早速本題に入りたいと思います。
3. これまでの採用広報にはなかった観点とは?
従来の取り組んできた採用広報では網羅できなかった部分は一体どこなのか。
以下で詳しくお話したいと思います。
3-1. これまでの採用広報の目的
結論からいうと、これまでの採用広報の目的は「会社の魅力を発信すること」とされていました。
少し脱線してしまいますが、採用マーケティングの設計をする前に「採用ブランディング」という、必ずと言っていいほど必要なアクションがあります。
当社では以下のように定義しています。
採用ブランディングでその魅力を有効的に表現する必要があり、その代表的な手法が「採用広報」になっています。
つまり、採用広報で「魅力を発信すること」によって企業の魅力を求職者に(深く狭く)伝えることができる、という位置付けでした。
3-2. これまでの採用広報の弱点
魅力を打ち出すことができる一方で、弱点もありました。それは「意図しないミスマッチが起きる可能性がある」ということです。
採用広報で打ち出した魅力を求職者に感じてもらい入社したものの、入社後に当初感じていた魅力ではない部分でミスマッチが起こり、最終的に辞職に至ってしまうということもケースとして考えられますね。
3-3. これからの採用広報で重要視すべきことは?
ではこれからの採用広報では何をしていけば良いのか。それは「これまでの採用広報の弱点をあえて打ち出していく」ことかと考えています。
そうすることで、3-2で述べた意図しないミスマッチのケースを防ぐことに繋がります。
では「弱点」とは何を指すのか、以下で詳しく説明していきます。
4. 「弱点」とはなにか?
「弱点」とは:入社後のギャップを減らすこと
いきなり結論から出しましたが、要は入社前後という「入り口」と「出口」で求職者様が重要視する部分が異なった場合、そのギャップを埋めるところがこれまでの採用広報では補えない「弱点」になっていたんだと思います。
もちろん入社前後で重要視する部分が同じである場合(当初思い描いた魅力が現実では違った場合)もあるかもしれませんが、果たしてその割合含め、
何が「ギャップ」として挙げられるのか。今回調査してみました。
4-1. 入社後のギャップとは何か?調査の一部を公開
では入社後のギャップには何が挙げられるのか?について実際に調査してみました。
表の見方としては、「入社理由」ー「退職理由」の数がマイナスになればなるほど、入社前にはそこまで重要視していなかったが、入社後に重要視するようになった「ギャップ」の差が大きいということを示しています。
こちらは調査の1部になりますが、下記の表をご覧ください 👇
入社後のギャップが大きいのは「人材マネージメント」「マネージャー」「キャリア機会」「経営者の評判」「成長率」「開発機会」がトップに上がってきます。
カテゴリーでわけると大きく「マネージメント」「キャリア観」に分類されると思います。
「マネージメント」は、コミュニケーションの取り方、マネジメントのポリシーです。
イメージしやすいよう、当社のポリシーの1部を以下紹介します👇
「キャリア観」については、マネージメントと異なり入社して年数が経つと変化していくものですよね。例えば、理想とするポジションや役割、リーダー層を目指すかどうかなどが思い浮かぶと思います。
5. では何を書けば良いか?
それでは実際に記事にする場合、具体的には何を書くと良いのでしょうか。
上記で挙げた「マネージメント」「キャリア観」を主に説明します。
5-2. マネージメント
「マネージメント」では大きく2つで、「マネージメントポリシーを打ち出すこと」と「マネージャー個人のポリシーを打ち出すこと」と考えます。
その2つをご紹介するために、そもそも「ポリシー」とは何を指すのでしょうか?
5-2-1. ポリシーとは?
「ポリシー」とGoogleで検索をすると別の意味が出てくるかと思うのですが、今回ポリシーという言葉を用いてアプローチをしたいのは「人事」「組織」に関する事項になりますので、ポリシー=価値観と設定します。価値観を設定すると話が非常にスムーズに進むのです。
5-2-2. 価値観とは?
そもそも価値観とは何か?下記にてアプローチしてみます。
わかっているようでわかっていない、Mission/Vision/Valueの違いです。
端的に表現をすると、
ですね。
そして今回、ポリシー=価値観と表現しましたが、上記でいうと価値観=Valueではないかとお気づきの方もいらっしゃるかと思います。ただ、世の中で使われているValueという言葉は、「行動指針」と表現をすることが多いのではないでしょうか?
皆さんの在籍企業でのValueを見てみてください。おそらく、「行動」に観点を置いたValueが多いのではないかと思います(当社もそうです)。
ただ、「行動」においての価値観の明示だけで良いのでしょうか?
5-2-3. 行動の価値観以外に、何の価値観があるのか?
改めて情報を整理すると下記になります。
まず大項目として「行動以外」の価値観を設定する場合、「人事ポリシー」「組織ポリシー」が該当します。さらに分解をすると、
上記のようになります。
こちらの項目はポテンシャライトが炙り出したポリシーマップになりますので、これ以外にも増えていく可能性もあるかと思います。これらを文言化することによって、各種人事施策の解像度が上がるでしょう。
5-2-4. 「マネージメント」への価値観
今回取り上げる「マネージメント」では、マネージメントをする側/される側のどちらかは皆さんご経験をお持ちかと思います。
マネージメントを「する側」は、得意なマネージメント手法があるのではないでしょうか?とにかくコーチングをする、とにかく叱咤をする、とにかく口は出さない、などです。
逆にマネージメントを「される側」は、どのようなマネージメントが好きでしたか?また、「あのマネージャーの下にはつきたくないな…」と思ったこともあるのではないでしょうか?ただ、その好みは人によって異なるのではないかと思います。
話を戻すと、マネージメントは「人(マネージャー)」に手法を依存させるのではなく「会社全体」で手法を統一させたほうが良いです。仮にAというマネージャーからBというマネージャーに変わったとして、マネージメント手法が180度変わったら、部下も戸惑うかと思います。さらに、マネージメントの「手法」は人それぞれ細かい違いはあるとして、自社のマネージャーがマネージメントをする上で、それぞれ「価値観」が異なるとあまり良くないかと思います。
それであれば「当社はこういった価値観でマネージメントをしているよ」という説明が入社前にあれば、ギャップも少なくなりますよね。これを「マネージメントポリシー」と呼んでいます。(もちろん、マネージメント以外にもポリシー設計をすべき項目はあります)
5-2-5. 会社全体とマネージャー個人のマネージメントポリシー
ポリシー/価値観が何なのかを踏まえた上で、以下2つを打ち出すと良いと考えています。
①マネージメントポリシーを打ち出す
マネージメントにおけるポリシーを作成していない(言語化まで至っていない)場合はそこから取り組む必要があるかもしれませんが、すでに作成までなされている場合は、その内容や作成背景を採用広報に含めると良いかと思います。
会社がマネージメントにおいて「何を大事にしているか」を示していると、求職者様は入社後業務を行う際のマネージャー層との関係性などをよりイメージしやすくなりますよね。
②マネージャー個人のポリシーを打ち出す
組織全体のマネージメント方針を打ち出していくのが①の内容でしたが、次はマネージャー個々人のマネージメントへのポリシーを打ち出すことも有効的かと考えます。
求職者様からしても、組織全体の方針の上で各マネージャーが何を重要視しているのかも認知することで、より業務時のマネージメントを想像しやすくなると思います。
5-2. キャリア観
「キャリア観」では大きく2つで、「組織図」と「これまでの異動事例等」かと考えます。
①組織図
これを求職者様にお伝えする理由は明確で、そもそもその会社がどういう組織になっているのか分からなければ、自分がなりたいポジションの有無も分からないからです。
ただ、当社が主にお付き合いさせていただいている企業様はアーリーフェーズで組織図が作成されていない企業様も多いです。そのような場合は、自らがロールモデルになっていくんだという気概が重要になってくるかと思います。
今回読んでいただいている皆様の中では従業員数が50名以上の企業様に所属してらっしゃる方もいるかと思いますが、規模感が大きくなってくると、セールスはセールス、マーケはマーケと縦割りに部署が編成されている企業様が多いかと思います。
一方でスタートアップでこれから一緒に事業を進めてくれる仲間を探すフェーズの企業様の組織図を見ると、どのポジションが空いているか、また代表がどのポジションを兼務しているか等、自分の希望するポジションがその企業様ではどのような状況なのかを読み取ることができます。
②これまでの異動事例等
これは例えば、全く異なるポジションに異動になった、メンバークラスからリーダークラスになった、メンバークラスの中でもこれまでよりチャレンジングな役割を担うようになったなどの場合です。
前提として、異動とは「社内の特定の問題解決のために行うこと」です。それは個人のwillを社内で叶えた結果としてなされる場合ありますし、その方の向き不向きを考慮した結果としてなされる場合もあるかと思います。
先ほどもお伝えした通りキャリア観は入社後から変わる可能性が大きいです。そして求職者様目線で見ると、既存のマネージャー以外のキャリアが果たしてあるのかどうか、意外と知らない方はかなり多いです。
そこで、キャリアの方向性について多様性があることをお伝えすることで、より入社後のキャリア観についてポジティブに捉えるひとつのきっかけになるのではと思います。
ただ注意していただきたいことは、過去に異動事例がないからといってそれがいけないという訳ではない、ということです。異動事例が過去ないからといって代表自身がそれを良しと思っているとは限りませんし、入社後に役割を真っ当している上で提案することもひとつの手かとも思います。異動事例はあくまでも一つの判断要素として見るのが良さそうです。
5-3. その他
今回の調査とは方向性が若干ずれますが、ミスマッチ防止観点ではテキストベースの採用広報の他にもアプローチ方法はあると考えています。それは「音声」「動画」です。
具体的には、カルチャーを明文化するブログを動画化したり、メンバーのMTG風景や話している様子を動画にし、組織の雰囲気を求職者様に伝えるアプローチです。
まとめ
採用広報のトピックを決める際には、
上記の内容を押さえておくと、求職者様が入社後に感じる違和感を減らせる採用広報かつ他社様よりも一歩リードした採用広報を出せることにも繋がります。
本ブログでは入社後のギャップを埋めるためにできる採用広報は?という観点で採用広報について発信させていただきました。本ブログで挙げたものでまだ採用広報化できていないものについては、ポテンシャライトでも追って記事化し公開できればと考えています。
ただ、決して勘違いしていただきたくないのは、本ブログに書いている内容が正解なわけではありません。
常に採用/人事領域におけるトレンドのアップデートをするポテンシャライトでは、おそらく3ヶ月後くらいには新しいノウハウが生まれており、本ブログをアップデートするような内容を共有できるかと思います。
最後に
皆さんいかがでしたでしょうか。
また、当社の採用/人事組織系支援にご興味がある方はお気軽にお声掛けください。
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