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【無料記事】「天昇る火柱 第一部」登場人物紹介!【歴史小説】

 この度、拙著「天昇る火柱」第一部が全12話で完結いたしました!
 いつもたくさんのスキをいただいて、感激しております。
 本当にありがとうございます。

 この機会に、前作(というか並行作)「流れぬ彗星」と同じく「天昇る火柱」でも、主要登場人物一覧を作ってみました。
 少しでも興味を持っていただけた方の、一助になれば幸いです!

 ちなみにこの「天昇る火柱」ですが。
「田舎の学生が、親戚のツテを頼って上京し、将来を約束する彼女もできて、一流企業に就職したものの、そこは成果第一主義の血も涙もないブラック企業だった……」みたいな読み方もできるかな?と思っています。
 新兵衛を書いていると、どうもそんな気がしてきてなりません。
 どうか、もがきながら必死で生き抜く彼の行く末を見守ってやってください!


【赤沢党】

赤沢あかざわ新兵衛しんべえ

 名は長経ながつね信濃しなのの小城に庶子として生まれたが、年上の兄・朝経を頼って畿内へ赴く。大和やまと国の古市で天竺人の血を引く少女・楠葉藍紗と出会い、惣領家の内紛を収めると、兄の養子として鬼の赤沢党の副将となり、血で血を洗う戦乱へ身を投じるが……

●赤沢宗益そうえき

 俗名は朝経ともつね。身の丈七尺に迫る偉丈夫。家督を捨てて上洛し、加藤三郎という偽名で唐船からふねに乗って明国へ赴いたあと、細川京兆家けいちょうけに仕えて内衆となる。稀代の猛将として畿内を転戦し、細川政元の覇業を大いに支える。その軍勢は情け容赦のない「赤備え」として、各地に恐怖を撒き散らし続ける。

猿丸さるまる

 もと古市の馬方。馬借の親玉でもある古市澄胤の厩を預かっていた。新兵衛の従者となり、そのまま赤沢党へ加わる。剽軽な初老の小者だが、筒井つついとの合戦で息子を虐殺された過去を持つ。

【古市】

古市ふるいち澄胤ちょういん

 奈良近郊の古市郷ふるいちごうを治める興福寺こうふくじ衆徒しゅと越智おち、筒井に次ぐ大和第三の勢力を築き上げるが、畠山尚慶の河内進撃に乗じた筒井の逆襲にあい、古市郷を略奪破壊されてしまう。

●古市胤栄いんえい

 澄胤の兄。幼名春藤丸はるふじまる。風流の才に優れ、かつて大乗院門跡の経覚きょうがくに鍾愛された。筒井党との合戦に惨敗して惣領位を弟に譲ったのちは、古市西を称し西方にしかた様と呼ばれる。その後本貫を出奔し、旧敵筒井と連絡して惣領返り咲きを図るが……

楠葉くすば元次もとじ

 かつて経覚に仕えた天竺人、楠葉西忍さいにんの息子。別名カリーム。既に七十の老人だが、矍鑠かくしゃくと惣領を支える。新兵衛の目付役を称するものの、澄胤のそばにあってほとんど古市には居着かない。姪孫の藍紗の帰還を察知し、新兵衛を問い詰める。

●楠葉藍紗あいしゃ

 元次の弟の孫娘。蒙古ぶりの踊りを得意とする。父の戦死後、母とともに一族の故地タブリーズへ帰ろうとしたが、海賊に囚われて朝鮮の島へ売り飛ばされた過去を持つ。西方胤栄に買い戻されて大和国へ戻り、新兵衛を誘惑して赤沢党の軍勢を味方に引き入れようとするが……

【細川京兆家】

細川ほそかわ政元まさもと

 細川京兆家けいちょうけ(宗家)当主。
 奇人だが謀略の才に優れ、現職の将軍と管領を襲って廃位する「明応の政変」を敢行。その後も畿内各地へ軍勢を送り込み、日本最大の勢力を築き上げる。

薬師寺やくしじ元一もとかず

 京兆家内衆、摂津守護代薬師寺氏の御曹司。仮名けみょう与一よいち。女と見紛う美貌の持ち主。赤沢宗益とは馬が合うらしく知己の間柄。一方、京兆家屈指の猛将の一人でもあり、天王寺に布陣した畠山尚慶の軍勢を、弟長忠とともに一手に引き受ける。

【管領畠山氏】

畠山はたけやま尚慶ひさよし

 もとの名は尚順ひさのぶ。仮名は次郎。尾張守おわりのかみ。「流れぬ彗星」の主人公。「明応の政変」で管領かんれいの父政長まさながを失い、紀伊きいへ没落する。その後独力で勢力を立て直すと、和泉いずみ河内かわちを席捲して同族の畠山義豊よしとよを討ち取り、「河内屋形」を称する。前将軍足利義尹とともに、南北から京の細川政元を挟撃すべくいよいよ決戦に臨むが……

●畠山義英よしひで

 尚慶に討ち取られた義豊の嫡子。上総介かずさのすけ。京にあって細川政元の庇護を受けている。元服はしているものの、弱冠12歳。父の遺した家臣団に担がれ、旧領河内の奪還を狙っている。

【将軍家】

足利あしかが義尹よしただ

 室町幕府むろまちばくふ第十代将軍。もとの名は義材よしき
 応仁おうにんの乱の西軍大将・足利義視よしみの子。戦後父とともに美濃みのから帰国し、将軍家の跡目を継ぐ。近江おうみ、河内と遠征を続けたことで配下の守護たちが疲弊、折り合いの悪い細川政元に「明応の政変」を起こされ生け捕りとなる。
 その後近習の手引で脱走し、畠山家領の越中えっちゅうに逃れて、上洛の機会を虎視眈々と窺っている。


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