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東大生10人に訊いた「中学生の国語力を上げる本」
こんにちは!国語特化の東大生/京大生個別指導ヨミサマ。の編集部長の神田直樹です!
今回は、2024年冬休み特別企画として、ヨミサマ。の講師陣10人に、
「中学生のころ、あなたの国語力を鍛えた思い出の本は?」
というテーマで質問をしてきました!
(もちろん小学校高学年や高校生でも同様におすすめできます!しかしそれぞれの対象についても同様の質問を既にしているので、この記事が好評であればまたそれらも公開しようと思います)
長期休みになると、本の1冊や2冊、少し読んでみたいですよね?
私もこの年末年始は本を読みまくろう!と思い、9冊の本とKindleを抱えて京都に本を読む旅に来ております!(私はこれを積読合宿と呼んでいます)
![](https://assets.st-note.com/img/1703900067544-bBsyhuzmfs.jpg?width=1200)
私が今回持ってきたこれらの本、自分で明確な意思を持って買った本は実はほとんどありません。
そのほとんどが人からのおすすめ、あるいは人のおすすめから派生して買ってみた本たちばかりです。
思えば、本を読む、ということにおいて本当にまっさらな状態で自分の意思決定のみで選んでいる、ということはあるのでしょうか?
本との出会い、それは新しい世界の美しさとの出会いでもあると思っています。今回は、皆様にとって世界が広がる少しのきっかけになれば、と思いこの記事を作りました。
ぜひこの長期休みなどに読んでいただければと思います!
今回は私自身のおすすめ本は入っていませんが、私自身のおすすめ本を観たい場合はこちら!
【ヨミサマ。とは】
講師全員東大生&京大生!
対話により国語力を向上させる独自メソッドのオンライン個別指導です。
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目次
小説
蜜蜂と遠雷
この本は、国際的なピアノコンクールを舞台に、出場者である4人のピアニストを描いた群像劇です。
群像劇は、複数の登場人物の視点からひとつの物事を描くことが多く、多角的な視点を広げるという力が向上すると思います。
情景描写が非常に美しく、白黒のページから鮮やかな色彩が立ち上がってくるような作品です。クラシック音楽に関する知識がまったくなくても楽しむことができ、読み進めるとともにピアノの音が響いてくるような臨場感あふれる演奏シーンは圧巻です!
人物描写・情景描写が丁寧で入試っぽさのある小説なので、それを読み解く過程で試験での小説読解への抵抗も少しは軽減されるのではないかと思います。
紹介した東大生のエピソード
中学校の図書館で借りた本なのですが、下校中のバスで読み始めて没頭してしまい、帰宅後も親が寝なさいというのを無視して深夜まで読みふけっていたのを覚えています。
主要人物4人はみな魅力的なのですが、特に私は4人の中で最年長の高島明石さんが課題曲として課された「春と修羅」に対してとったアプローチがとても素敵だと感じました。音楽と詩と文字が混ざり合う体験を、ぜひ皆さんにも味わっていただきたいです。
きみの友だち
思春期前後の小学校高学年から中学生にかけての多感な時期の、子どもたちの複雑な人間関係や心情を描くことで本当の「友だち」とは何なのか考えさせてくれる重松清の代表作です。
この作品は、一つの中学校(と近所の小学校)が舞台であり、章ごとに主人公が変わるため、ある出来事について、「なぜあの子はこのような行動をとったのか」が別の章(あの子視点)を読むことで明らかになっていきます。
これによって、視点が変われば物語は全く違ったものになるという考え方が身につく作品です。
お手本のような心理描写が重松清作品の特徴であり、間接的な描写を理解してなおかつ直接的な表現に言い換えるだけでも国語力のトレーニングになります。入試頻出の作家さんでもあるので、そういう観点でもおススメです。
紹介した東大生のエピソード
母が唐突に図書館で借りてきたため読んだところ、感動のあまり涙が止まりませんでした。 「くちぶえ番長」「ビタミンF」などもおすすめです。
人間失格
言わずと知れた、太宰治の傑作。自分を偽り、ひとを欺き、取り返しようのない過ちを犯し恥の多い生涯を送ってきたとする男の人生を通して、ひとがひととして、ひとと生きる意味を問う作品です。
一見淡々と物語が進んでいくので主人公の心情の揺れも少ないように見えますが、主人公の奥底には恐れなどの負の感情潜んでいます。
この文章を通して、そのような隠れた感情を見抜く力を養えるのではないでしょうか。文章の裏の意味を読み解く練習がしたい人に向いていると思います。
紹介した東大生のエピソード
自分自身もこの本を中学生で読み、実際の人間関係であるような心の移り変わりを文章の中から感じることができて感動した記憶がある。自分の中で湧き出る負の感情とどのように付き合うかを考え、心を涵養するひとつのきっかけとなった。
風が強く吹いている
お正月といえば、箱根駅伝がありますよね!
この本は、とある学生寮に集った個性豊かな10人のメンバーが箱根駅伝に挑む物語です。それぞれの人生の中にある思いとチームスポーツの中で生まれる絆がとても感動的なお話です。
もともと駅伝を見るのが大好きで、題材がぴったりハマったので楽しく読むことができました。
みなさんも、好きなことにまつわる本を読んでみると、のめり込めるのではないでしょうか??
紹介した東大生のエピソード
お正月のある冬休みにぴったりの一冊なのではと思いご紹介しました。
そしてヨミサマ。の教材の中にもこの物語は登場している通り、心情を読み取る力もつくのではないかと思います。
メンバーたちの日常が描かれる中で、少しずつそれぞれのバックグラウンドが明かされていき、登場人物への理解が深まっていく。この流れを楽しみながら読んでもらえるといいのではないかと思います
アルジャーノンに花束を
幼少の頃から知的障害を抱えた主人公が、手術によってみるみる知能を向上させていきます。やがて、天才となった主人公が、愛や憎しみ、喜びや孤独を通して人の心の真実を知っていく物語です。
主人公の知能レベルに合わせて文章の論理関係や語彙力、描写の精度が徐々に上がっていくため、主人公の心情に寄り添う練習に向いています。まだ主人公の心情を抑えることが苦手な人向けの1冊です。
知的障害者の視点で進む中学生程度向けの本はあまりないので、新たな形式との出会いにもなるとおもいます。
紹介した東大生のエピソード
主人公の知能レベルに合わせて文章の様子が徐々に変化していく様子が非常に新鮮で、次へ次へとページを急ぎながら繰っていた記憶がある。自分の心情理解の原点は間違いなくこの本である。
涙香迷宮
囲碁界で有名な有名な老舗旅館での怪死事件を追う物語。
その中に出てくるいろは歌の暗号が非常に面白い一冊です。
「いろは」四十七文字と「ん」を加えた合計四十八文字をすべて一度ずつ使って作る「いろはうた」がなんと48首も登場します。しかも全て冒頭の文字が異なっているのです!
これだけでも感動するのに、さらにその48首に何重もの意味が隠されてあります!非常に面白いだけでなく、日本語の美しさを再認識できるミステリー小説となっています!
紹介した東大生のエピソード
中学生時代に推理小説にハマっていた時に読んだものだが、他の作品と違った雰囲気でとても印象に残っている。なんと言っても48のいろは歌の美しさに感動した記憶がある。
さきちゃんたちの夜
吉本ばななの短編集。「さきちゃん」という名をもつ女性たちが、何かしら辛い現実(父親や祖母の死、親の離婚など)に直面するがハッピーエンドを迎える物語です。
吉本ばなならしいスピリチュアルな部分もありますが、合理性に囚われすぎず、言葉の持つ力のようなものを読み取る訓練になると思います。
短編集なので読むハードルも比較的低い点もおススメポイントです!
紹介した東大生のエピソード
受験勉強で疲れた時に読んでいました。主人公たちが非現実的な出来事を経ながらも、自分で折り合いをつけていく様子に元気をもらいました。科学的には存在し得ない何か、から筆者の伝えたいことを読みとったり、励まされたりするのも小説の面白さだと思います。
そして誰もいなくなった
全く境遇の異なる10人の男女が過去の犯罪を暴かれ、家主のいない孤島の豪邸で次々と殺されていく、言わずと知れたアガサ・クリスティの最高傑作。
10人もの登場人物がいるにもかかわらず、その全員の情報がすっと頭に入ってくるこの小説は、複数登場人物がいる場合に焦らない訓練にうってつけです!登場人物が増えると焦ってしまう人にいいと思います!
紹介した東大生のエピソード
最初の登場人物紹介で10人も出てきて気がおかしくなりそうだったが、いざ読み始めてみると驚くほどこんがらがらずに読むことができ、アガサ・クリスティの文才を感じた一冊。これ以来多少登場人物が多い文章でも緊張せず焦らずに読めるようになった。
評論文・その他
漫画は哲学する
ドラえもんなどの漫画などをモチーフとして、その漫画に内在されている哲学的要素を解説していくという本です。
モチーフとなる漫画は少し古いものの、コマ引用や説明がしっかりしているので今読んでもためになる1冊です!
哲学というテーマはやはり取っつきづらいという印象が強いと思います。しかし、この本を通して哲学のイメージがずっと身近なものになると思います!この本をきっかけに哲学をテーマにした文章への苦手意識もなくせるのではないでしょうか。
紹介した東大生のエピソード
小学生のときに読んで難しいなと思ったが、中学2年生になって読むと結構理解できた覚えがある。これが面白くて、永井均さんの『〈子ども〉のための哲学』も読んだ。
世界でいちばん素敵な大和言葉の教室
五月雨、木枯らしなど美しい日本語の説明が多くのイラストと共にあります。
「霞」と「霧」は何が違うのか
小春日和とはいつの季語か
など考えてみると面白い疑問がたくさんあってとても興味深いです。
日本語の美しさがわかるし、普段何気なく耳にする言葉を深く理解できてとても面白いと思います。
イラストが豊富なので勉強している、読書しているという感覚はあまりなく、読みやすいと思います。中学生以上で古文を習っている人であればそこで聞くことのある「朧月」、「野分」、「有明」といった言葉もでてきて古文の理解も深まるのでおすすめです。
古文や和歌が好きでその関連でこの本を買った記憶があります。 和歌でよく出てくる日本語の意味や、普段たまに使うけどよく意味がわかっていなかった言葉の意味などがわかってとても面白かったです。この本を読んだ上で百人一首の本を読み返しました。
このnoteが好きな方にオススメのnoteがこちら!
さらに効果を高める読み方
さらに、上記の本での効果をより高めるやり方があります!
それは、しっかりと本の内容について「対話」を行うことです!
4コマ漫画でも実体験として語ったのですが、内容に関して親と話し合いをしたからこそ、より深い理解に繋がり、語彙力も論理力も向上したと思います。
そのような体験を踏まえて私が作った国語力を鍛えるプログラムが、「ヨミサマ。」です。
ヨミサマ。は、1つの作品について深い対話をすることで、語彙力や論理力をつけていく、東大生の国語に特化した東大生の個別指導です。
百聞は一見に如かず、いつでも無料で体験が受けられます!
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