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お寺の掲示板 【No.46/柊原のお寺・真宗寺/2024.12月】
あらたまの 年のはじめは 祝うとも 南無阿弥陀仏の こころわするな
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柊原では聞きませんが12月16日は「念仏の口止め」という年中行事です。
正月の神様(年神様)は念仏嫌いで、この日から1月16日の「念仏の口開け」まで念仏を称えてはいけないと言います。
また、柳田國男の『年中行事覚書』を見ると、正月松の内は「仏いぢり」をしてはならない、つまり仏教にまつわることはしてはならないとも書かれています。
一方、真宗寺は年末年始も変わらずお念仏申します。真宗における阿弥陀仏への礼拝は、家内安全とか無病息災などを祈るものではなく、願生浄土の絶唱であり、謝念の南無阿弥陀仏であります。
新年になれば「明けましておめでとう」と何の気なしに言う我々。しかし、かの能登半島地震の物故者が一周忌であるように、世の中には悲しみの真っ只中で正月を迎える方もいます。「正月」「大安」或いは「仏滅」「友引」などの日は、何も初めから吉凶禍福が決まってるのではなく、慶弔はいつ何時でもやってくるし、そこに善し悪しをつけるのは他でも無い自分自身です。
題字は蓮如による新年の歌。「明けましておめでとう」を口止めするわけではありません。大事なのは祝うとも祝わずとも、「南無阿弥陀仏のこころわするな」ということ。念仏の口止め期間を含むこの1ヶ月に亘ってこの歌を味わい、新たな年を迎えたいと思います。
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