歳とともに過ぎ去る いつかいつかの いつかの日
いつか、いつかと思い期待をする事は沢山あるけれど、
その日は、いったいいつなのだろう?
漠然と過ぎ去って行くいつかの日。
雑誌のモデルさんが着ているような、フリフリの可愛い服を着たいと思っていた田舎娘の頃。
そんな服は親に買ってもらえるはずもなく、ただただ雑誌をながめ憧れているだけだった。
いつの日かきっと、オシャレをしてモデルさんのように街を歩こう。
そして今、お腹とお尻を隠さなくてはならなくなってしまった自分のスタイルが鏡にうつる。
モデル姿のあの夢はいったいどこへ行った。
いつか着たいと思っていたフリフリの可愛い服は、もう着れない。
今ならあの時のお気に入りの服だって買えるのに。
あのいつかの日は、もうやって来ない。
都会で一人暮らしをしていた私は、贅沢など出来るはずもなく、生活をして行くのがやっとだった。
そんなある日、一緒に貧乏寮生活をしながら勉強をした友人の一人が、お医者様と結婚をした。
新居に誘われた私は、すき焼き鍋で迎えられ、
「TOMOちゃんは一人暮らしだから、すき焼きなんて食べられないでしょ」
「いっぱいお肉食べていきな」
「うん、ありがとう」
「美味しかったよ。ごちそうさま」
彼女には、なんの悪気もなかったのだと思うけれど、内心悔しかった。
いつの日かきっと、お腹いっぱいブランド牛を食べてやる!
先日、少し贅沢をして旦那と高級和食を食べに行った。
秋の味覚色々。ブランド牛のしゃぶしゃぶに陶板焼き。
そしてデパートであこがれた松茸もほんの少し。
次から次へと運ばれてくるお料理に、だんだんお腹がいっぱいになり、食べきれない。
霜降りのお肉は歳をとった今、もはやたくさんは食べられなくなってしまっていた。
あのいつかの日は、もうやって来ない。
仕事をしていると、お金はあっても、なかなか自由にお休みが取れない。
土曜日曜祝日の出勤、残業は当たり前。
いつの日かきっと休みの自由。時間の自由。
いざ仕事を辞めてみると時間の自由はあるものの、
だんだんと減っていく貯金通帳の数字。
やがて何をしたらいいのかもわからなくなり、
いつかいつかと、ただ時だけが過ぎ去って行く。
これでいいのだろうかと、カフェでお茶を飲みながら過ごす今日この頃。
歳とともに短くなって行く、残された日のいつかの日。
お茶にしましょう
いつか食べたいと思っていた
エックタルト
おやつのいつかはすぐにやって来る
今日は紅茶がいいかしら
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