高校を卒業し、田舎から大都会に出て来た田舎娘の私は、新宿のそびえ立つビル群を見上げ驚き、渋谷のファショナブルな人々の多さに驚き、池袋サンシャイン60から見た東京の、どこまでも続く街の大きさに驚いた。 当時ひとり暮らしを初めた場所は、とても住みやすく、下町商店街は洋品店の隣が八百屋さんで、その隣は定食屋さん、その隣は靴屋さん、そしてお惣菜屋さんが数件、と言ったような様々なお店が並んでいた。 コンビニなどは、まだ無かった時代だったから、小さな冷蔵庫と炊飯器、ガスコンロで自炊を
スピードがなんと言っても大切な今の時代。 のんびりノロノロと歩いていたら、たちまちこの世の中について行けなくなってしまう。 登り坂であろうと下り坂であろうと、とにかく走らなくてはならない。 カメのようにゆっくりゆっくり進んでいたら、ウサギが追い越して行く。 ウサギは大いに遊び楽しみ寝ていたと思いきや、追ってくるカメを見つけると、またもや走り出す。 この世の中は競争だ。 コツコツ真面目が良しとされていた時代は遠い昔。 今やカメはウサギに負ける時代だ。 賢いウサギになれ。 要
心の中には優越感という魔物が住んでいる。 それは他人の心に、まったくお構いなく食いついて来る。 そして満足そうな笑みを浮かべ、弱い獲物を求め更に増殖して行く。 魔物は勝利したとでも思っているのだろうか。 優越感の裏側は劣等感だ。 先日髪を切りに行った。 私はロングヘアー。 前髪は自分で切れるのだが、さすがに後ろ全体は無理なので美容院に行く。 カットだけの今流行りのサロンと言えば聞こえがいいが、2000円でお釣りがくる美容院。 久しぶりに綺麗に揃えてもらった後ろ髪を見て、私は
人は皆、前世の記憶を持って生きているのかも知れない。 前世の私が、今の私に伝えようとしていることがきっとあるに違いない。 リーインカーネーション。 100年後に生まれ変わりたいと思う。 100年後の世の中をこの目で見てみたいと思う。 100年前の人々が今のテクノロジーをどれだけ想像できただろう。 更なるスピードで世の中が変化をして行く今の時代。 いったいどんなふうになって行くのか、私にはもはや想像ができない。 きっとこれからはAIがますます賢くなり、人間を超える仕事をす
頭の中には大きな袋がある。 医学的な名前こそついていないが、色、形、大きさ、皆それぞれ違う袋を持っている。 その袋の中身をのぞいてみれば、様々な言葉が記憶が蘇ってくる。 記憶と言う名の袋。 ところが最近困ったことに、私の袋はどこかに穴が空いているようなのだ。 手探りで袋の中身をかき混ぜて探してみるも、いま欲しい言葉がなかなか出てこない。 あれ、それ、なんだっけ? あれだよ、あれ。では通じない。 それでも後になってふっと見つかることもある。 そうそうこれこれ、これだよこれ、
美味しいものをお腹いっぱい。 これを幸せの秋と言う。 街を歩けば、たくさんの誘惑が私に語りかけて来る。 ショーケースに並ぶケーキは、まるでケーキ達のファッションショー。 ケーキ達が私にアピールする。 「フルーツで着飾ったドレスの私が一番キレイでしょ」 「チョコの私が一番人気なのよ」 「秋はやっぱりモンブランの私で決まりでしょ」 最近は1個1000円以上するケーキも珍しくない。 しかし1個くださいとはどうしても言えない私。 パン屋さんの前を通れば、美味しそうな香りがフワリ
昭和の子供時代、スマホやゲームはなかったが、それでも今の子供達よりもはるかに、やんちゃで自由だったと思う。 あの頃の私は、いったい何を思い何を考えていたのだろう。 今日も夕方、ランドセルを背負って運動靴やらスケッチブックやら荷物をたくさん持って歩いている小学生を見かけた。 家に帰って、これからまた塾へ行くのだろう。 チビだった小学生の私は、学校ではいつも前から2番目だった。 初めて背負ったランドセルはそれはもう大きくて、ランドセルが歩いているかのように見えたことだろう。
ピンポ~ン どなた様ですか? 返事はない。 それでも気になるので、一応玄関を開けてみる。 しかしそこには誰もいない。 noteを訪れるピンポンダッシュ。 ポストを覗くと、そこには宣伝のようなチラシが1枚。 例えるならば、子供の進学塾のようなチラシだ。 塾には素晴らしい講師がいて、子供達の成績は必ず伸びる、進学率県内トップ、などと書かれている。 フゥ〜ン・・・ うちには子供がいないから、まったく関係なく興味もない。 もったいないと思いながらも、チラシは当然そのままゴミ箱行きと
「今が一番幸せ!」と友が言う。 私は「えェ~~そうなの?」 と思わず返してしまった。 理由など聞くのは野暮ったいと言うものだろう。 日々の暮らしは特に何もなく過ぎ去って行く。 私には日頃の愚痴や不満がたくさんある。 こんなはずではなかったと思うこともたくさんある。 どうしようにもないモヤモヤやイライラ。 決して不幸ではないけれど、 心の中の満たされないものの数々。 今が一番幸せ 今が一番幸せ 今が一番幸せ ・ ・ ・ 呪文のように何回となく繰り返してみたら、 何だ
創作大賞2024中間選考が発表されました。 がっかりされた方も多くいることでしょう。 私も宝くじくらいの夢を見ていました。 1等前後賞など当たるわけがないと思うものの、もしかしたら300円くらい当たらないかなくらいの期待はしていました。 宝くじは買わなければ当たらないと言います。 創作大賞も応募しなければ読んでももらえないでしょう。 はい、もちろんハズレです。 やはり入賞する方々の作品は素晴らしいと思います。 noteはそんな方々の才能を見つけ出す良いチャンスでもあるのでし
前回のあらすじ 我が家には宇宙人がいる。 声をかけてみるものの交信不能。 なんたって言葉が通じないのだからしょうがない。 いったいこの宇宙人は何を考え何を思っているのだろう。 私には理解不能としか言いようがない。https://note.com/lively_avocet252/n/n33be5dd71578?sub_rt=share_pw 機械式駐車場という秘密基地にあった新車という宇宙船を私が知ったのは、納車されてから1週間以上過ぎた時だった。 驚きはもちろんだが、決
人と人との繋がりは、好きな人も嫌いな人も何かしら訳があって出会うのでしょう。 一生の間に出会う人は限られているけれど、本音を語り合える人は多くはいない。 9月になったとはいえ外はまだ暑い。 今日もアイスコーヒーにしようとカフェに行く。 そんなにたくさん氷は入れなくてもいいのに、といつも思ってしまうのは私だけだろうか。 カフェでの友人の愚痴が止まらない。 お互い、ただ繰り返す日々に愚痴だって言いたくもなるというもの。 すでにアイスコーヒーの氷は溶けかかっているのだけれど。
ハッピバースデー♪ そこはネパールのカトマンズ。 路地裏にある民宿のような小さな宿でのこと。 その日は、旅の仲間の精神科のドクターの誕生日だった。 テーブルの上にはショートケーキサイズの飾りも、ロウソクもないごくごくシンプルなケーキが1個置かれていた。 さてこの話、書こうかどうか、書いてよいものかどうか私は迷っている。 日本ならば完全にアウトな危ない話なのだ。 かれこれ何十年も前の話だからもう時効であろう。 私の記憶を体験をやはり残しておきたくて、この話を続けようと思う。
毛皮暑いです〜 にゃらば 脱いじゃう? 水風呂 気持ちいいよ 毛皮は洗濯して干しておくからね 女の子ですけれどなにか 猫だって暑い今年の夏です #夏の1コマ
そこは山の中をローカル線がのどかに走る、小さな駅の小さな田舎の町。 駅前には古びたお土産屋さんが1軒と、色あせた食品サンプルが飾られたお蕎麦屋さんが1軒だけ。 そこから駅前通りをまっすぐに進むと、昔からのお饅頭屋さんがある。 大きくて茶色いお饅頭が美味しかったのは私の子供の頃の記憶。 その角を曲がると赤い昔の郵便ポストと、たばこ・切手の四角いトタン板の看板が見えて来る。 おばあちゃんは笑顔が可愛いたばこ屋さんの看板娘。 タバコがきれいに並んだガラスケースの後ろで、おばあちゃ
さまざまな国のそこでしか味わえない物を食べてみるのは、旅の楽しみのひとつでもあり、そのひとつひとつに思い出があります。 ー私のインドの旅ー 外にテーブルとイスが置かれた、砂漠に近い小さな町のオープンレストランへ行った時のこと。 そこはテーブルの下で犬が寝転んでおこぼれの食べ物を待ち、数羽のニワトリがコッココッコと私達の周りを歩きまわっている、いかにもローカルなレストランでした。 連日カレー続きで少し飽き飽きしていた私達は、チキンピラフにビールと数種類のおつまみを注文すること