昨年4月に就職活動の一環で書いた作文
さがしもの
昨晩、私は自室でさがしものをしていた。日記をつけるためのシャープペンシルが見当たらなかったのだ。
高校生の時から日記を書き続けてきた。その時から日付と時刻を黒のボールペンで、本文をシャープペンシルで書くスタイルは変わっていない。時刻が23時59分の時はその日に書くのをサボり、次の日に書いたことを暗示するサインである。大学生になってからの私は、夜遅くまで出歩くことが多くなり、その日のうちにつけるのが間に合わなくなることが増えた。そのため、日記の時刻は23時59分が多い。最近は必ず書くネタになるような出来事が起きる毎日で、非常にやりがいを感じている。
しかし、コロナが流行しだした2020年は外出自粛・行動制限のため、書くネタが無くなっていった。そんな悩みを、当時知り合った社会人の方に打ち明けた際、非常にありがたい助言をいただいた。それは同じような事象でも、見方を変えて見ることだ。例えば、目の前のペンが机の上に落ちたという事象でも、机の目線から見ると上からペンが落ちてきたことになる。ペンにしてみれば机に叩きつけられて痛いのかもしれない。その助言を頼りに、平凡なコロナ禍の日々に彩りを加えることができた。
昔ほどコロナが脅威でなくなりつつある最近、私は就職活動に追われている。非常に困難な時期で、日記の内容も就活の愚痴になりがちだ。しかし振り返れば、大学受験期間の私も悩んでいた様子が過去の日記に記されていた。今を乗り越え、将来は立派な社会人になっている自分が、今の時期の日記を見返すと微笑ましいのかもしれない。
昨日はサークルに入ってくれた後輩をディナーに連れていった。新しい内輪ネタもでき、非常に楽しい時間を過ごした。それを日記に書きたい。
しかし、いつも筆箱にあるはずのシャープペンシルが見当たらない。きっとサークルの部室に忘れてきたのだろう。
この作文を書き終えたら、私は部室にさがしものをしに行く。