休むことは、無駄じゃない。|『サバティカルタイム』
「サバティカル」という言葉を聞いたのは、気づけばもう15年前のことかもしれない。
フランス文学科に通っていた大学生時代、先生という職業をしていると何年かに一度「サバティカル」という丸一年休みが取れるというのをフランス人の先生から聞いた。しかも、確か一部はお給料が払われる。
有給1年で何をするかというと、先生として研究を深めるのに使ったり、教養を深めるのに使ったりするそうで、数少ない学科の先生たちが順番のように「来年はサバティカルなの」と嬉しそうに言っていた。
さすが、夏休みは6週間がっつりとるフランス人!と思ったものだけど、この考え方を「フランス人いいなぁ」で終わらせず、日本人でも実践された方がいるだなんて!
そう思って、手に取ってみたら、あれ、これ、社会人10年くらいやった人たちが、みんなやったらいいじゃない?という気がしてきた。
どんなことも「いやいや無理だから」「外人だからできるんだよ」という否定から入らず、「どうやったら自分も取り入れられるかな?」という目線で考えたいなと教えてくれた一冊でした。
『サバティカルタイム』を手に取った理由
冒頭でご紹介した通り「サバティカル」という言葉と、「1年間の休暇」というは知っていた私。
でもなんとなく「教員・教授」という職業とは縁がないからこそ、自分には関係ない言葉だと思い込んでいたところ、日本人で、しかもワーママをされている方で、意識して取ったというのが気になって、さっそく手に取ってみた。
「40歳の壁」というサブタイトルも気になって、30代半ばに差し掛かろうとしている今、読んだ方がよさそうだなと思ったのも。
読み終えた今、本当に、このタイミングで読んでよかった!本の中で著者も書かれているけれど、40歳の±5歳の方が手に取るべき一冊でした。
『サバティカルタイム』からの学び・気づき
もとからあんまり「将来への不安」や「老後への不安」はなくて、そんなに先のことを考えても仕方ないじゃないと思うんだけど。
そんな中で、著者のこの考え方を読んで「たしかに!!」とうなずいてしまった。がむしゃらにお金を溜めて、預金額を眺めても心がザワザワするようなら、貯めることに意識しない方が幸せかも。
そもそも2000万円貯めたところで、40年後の物価がどうなってるか知らないし、何かのタイミングで日本円が崩れて紙切れになっているかもしれない。
だったら、自分が好きなことは何かな?続けられることなは何かな?おばあちゃんになってもやりたいことってなんだろう?そうやって考えながら、巨大じゃなくていいから、月に10万円を稼ぎ続けられるような仕組みが作れたら、十分幸せじゃない。
そんな「何か」を探す時間を、サバティカルをとって考えられたらいいよね。「1年休むなんて無理ー」って思うなら、3年くらいかけて一日に数時間ずつでも考えてみたらいいよね。
時間はかかっているけれど、でも少しずつ考え方を変えてきている。そんな自分にとって、なんだか希望を与えてくれる箇所でした。
『サバティカルタイム』から取り入れたこと
社会人10年目を過ぎたタイミングから、自分がしたいことって何だろう?と模索し始めて、早数年。
そして、今の自分がやりたいことを、少しずつ進めてきたのだけど、やっぱりどこかで「どうなるかしら」と不安がなくもない。でも、この箇所を読んで「34歳だからいくらでもチャレンジしたらいいよね」という気持ちになった。
35-40までの5年間、40-45までの5年間と、2つに区切って、2つくらい大きなことやりたいなぁと思っている最近。
ちょっとでも不安を感じたら、まだまだ人生の序盤の方にいるじゃないかと、失敗しても立ち直れる時期にいるんだよって思い出しながら、少しずつ前に進んでいる。
『サバティカルタイム』をおすすめしたい方
この箇所に書かれているように「40歳±5歳」のレンジにいながら、ちょっとでも何かやってみたいなぁと考えていることがあるかたに、オススメしたい一冊です。(そういう意味では、私は34歳なので先取りしちゃった。)
毎日を子育てに追われて過ごしたり、サラリーマンとして毎月の作業をしていたら、淡々としすぎたまま、60歳くらいになっちゃうんじゃないかな。
でも、何かやってみたいなと思っているなら、ちょっと立ち止まって考えてみよう。なんなら一度「働く」から離れて、考える時間をとってみよう。
「働かない」なんて効率が悪いとか、生産性がないと感じちゃうかもしれないけれど、それは勘違い。ちゃんと時間をとって人生に向き合うから、人生の後半がもっと豊かになるんじゃないかな。
そんなことを教えてくれた一冊でした。また自分がブレてきて、守りモードに入りそうになったら、改めて開きたい一冊。