『不思議の国の数学者』脱北した天才数学者と自信を失っている高校生の関係を描く韓国映画
経済的格差、学歴社会の暗部、南北の問題などの社会問題と、数学や音楽の関係と美しさを、わかりやすい物語で描き出している。親子(とそれに類似した)愛情も大きなテーマ。
円周率の数字を楽譜に見立てた円周率のピアノ曲や、バッハの「無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調」が響き渡る。
正しいとされるものに盲目的に従うことの危険性と、自分なりの美学のようなものを追求する大切さ。
ラストの展開では、パスポートを持って好きな所に行ける自由は素晴らしい、と改めて思った。そして、その自由は誰もが得られているわけではない。
4年前に脱北した数学者で今は高校の警備員(用務員?)をしているイ・ハクソン役のチェ・ミンシクが、疲れた中年と、威厳と誇りにあふれた学者の2つの姿を演じていて、その差が印象的だった。
2022年製作/117分/G/韓国
原題:In Our Prime
配給:クロックワークス
監督:パク・ドンフン
製作:ハ・ジョンワン
製作総指揮:キム・ドゥス
脚本:イ・ヨンジュ
撮影:パク・ホンニョル
美術:キム・ヨンヒ
編集:キム・サンミン
音楽:イ・ジス
出演
イ・ハクソン役:チェ・ミンシク
ハン・ジウ役:キム・ドンフィ
グノ役:パク・ビョンウン
ギチョル役:パク・ヘジュン
ボラム役:チョ・ユンソ
カン・マルグム
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