タバコを吸って光合成するんだ

養老孟司さんが肺がんになられたらしい。僕は本屋に行くのが趣味なので、本棚を眺めていると、『養老先生、がんになる』という本が置いてあった。僕は鬱なので、ガンの本は怖くて読めない。それで、目次だけ眺めたのだが、どうやら肺がんになられたらしい。

養老孟司さんはヘビースモーカーである。また、タバコと肺がんの因果関係はない、と主張されていたと思う。実際に、タバコと肺がんの因果関係はない、と主張している人は結構いる。

というか養老孟司さんは80代である。何らかの病気になられてもおかしくないだろう。逆に言うと、80代にしてようやく肺がんになられたのだ。そして、養老孟司さんは80代にしても頭脳明晰であるし、元気に虫も取りに行かれているようだ。ということは80代までタバコを吸っても、まあそんなに問題がないように思われる。肺がんになった原因も、いわゆる老衰なのか、タバコが原因なのか分からないじゃないか。

と、本屋で養老孟司さんの近況を知るのは何か不思議な感覚があるのであった。

そんなことより僕は鬱である。そして、タバコを吸う。最近はタバコは鬱に良いのではないかと思い出してきた。

まず僕は部屋でタバコを吸うと臭いがこもるので、いちいち外に出てタバコを吸う。ということは、外の空気を吸うことになる。また、日光を浴びることになる。外の空気を吸うことや日光を浴びるのは鬱に良いとされている。だから鬱でタバコを吸う人は、めんどくさいと思うが、いちいち外に出ることをオススメする。タバコの煙がこもった部屋で横になっていると余計に参ってくるだろう。だから外に出てタバコを吸い、光合成をするのだ。

また、鬱になると何もかも億劫になり、生活の基本的なことができなくなるというが、僕はタバコを吸いに外に出たついでに、あれをやるか、これをやるか、という具合に顔を洗ったり、シャワーを浴びたりしている。ただ、逆を言うと、タバコを吸わないとこれらをやる気にならないかもしれない。

プロ棋士である先崎学さんも鬱になった時にタバコを吸われていた。鬱のストレスはタバコで紛らわすしかないのだろう。また、僕は一時期デイケアに通っていたのだが、結構喫煙者がいた。どうやら精神疾患をもつ人は喫煙者が多いらしい。タバコを吸うから精神疾患になるのか、精神疾患とタバコが相性がいいのかは知らない。また、精神科医は唯一タバコに寛容な医者である。

そんなタバコにもデメリットがある。それは高すぎるということだ。僕の買うタバコは580円くらいする。正直洒落にならない。ちょっと前まで200円くらいだったじゃないか。ふざけるな。安くしろ。

また、僕がタバコを買いに行くコンビニには美人の店員がいる。鬱である僕の唯一の楽しみはその美人店員に会いにいくことだけなのだ。昔は「タバコ屋」なるものがあり、どうやら看板娘がタバコを売っていたらしい。昭和の小説にありそうな話じゃないか。

というわけでタバコをやめたら、僕の楽しみが無くなる。それにしてもタバコは高すぎる。何とかしろ。喫煙者をなめるな。こちとら鬱で辛いんだ。収入もないんだ。いじめないでくれ。タバコ代のほとんどが税金だって知っているぞ。どれだけ税金を納めていると思っているんだ。

ただ、タバコは臭い。だから文字通り煙たがれる。うるさい。現代人が潔癖するぎるんだ。繊細すぎるんだ。もっと大らかになれ。鈍感になれ。バカになれ。

というわけで、養老孟司さんの『人生の壁』という本を買ってきました。

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