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がんを経験してプラスになったこと②

 がんにはならない方がいいに決まっているけれど、「転んでもただでは起きない」をモットーとしている(?!)私は、あえて「がんを経験してプラスになったこと」を上げてみます。

 2つ目は、「自分がいなくても家庭は回る」ことを知ったことです。

 「会社で自分の代わりはいくらでもいる」という言い方をよくしますが、それを単純に家族に置き換えることはできませんよね。今回のことがあるまでは、「母」「妻」という役割の私がいなくては我が家は回らない!と思っていました。その役割にも誇りを持っていたし、自分の中での大きなアイデンティティになっていたと思います。

 でも、今回の手術や放射線治療のための入院でそれぞれ10日ほど家を空けましたが…なんとかなったのです。通常なら私の母にヘルプで来てもらって、子ども達の世話やこまごましたことを頼んだと思うのですが、コロナで感染などの不安がある中、高齢の親を呼ぶのもはばかられ、完全に夫と子ども達だけでやってみることになりました。夫の仕事が在宅勤務可能だったこともラッキーでした。(在宅でなければ無理だったかもしれません…)

 「私がいなくてもなんとかなるんだ」というのは、自分の存在価値がないようで落ち込んだ…といったマイナスの気持ちではなく、「なんだあ、子どももいつの間にかこんなに成長してたんだ!!夫もなかなかやるじゃん!」という嬉しい気持ちでした。そして、「母親として私がしっかりしなくては!!」として凝り固まっていた気持ちがすっと楽になって、肩の荷が下りたような気持ちになりました。家族のことを、今までよりもおおらかな気持ちで見られるようになりました。なんだか、子離れの第一歩を踏み出したような、そんな気持ちです。

 とはいえ、これは私だけの感想。夫や子どもに本当の所を聞いたら「とんでもなく大変だったよ!全然大丈夫じゃなかったよ!!」と言われるかもしれませんが。(笑)これからも、家族で過ごす時間を大切にしながら、それぞれと関わっていけたらいいなと思います。

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