「ランニングすると、自分の部屋が整理整頓される。」
ランニングした後に家に帰ると、なぜか部屋を「整理整頓」し始めるという現象が私に起きることに気が付きました。
①ランニングと「整理整頓」になにか関係があるのか?
②「整理整頓」は本能なのか?
というポイントで考えてみました。
そもそも私がランニングをする目的は、心拍数を上げて「ドーパミン」を出すことによって、「多幸感」や「やる気・集中力」を出すことです。
私の場合は、トレーニングジムのトレッドミルで、心拍数が130を超えるぐらいを目標に5~10分くらい走ると、どうやらドーパミンが出始めるようです。
※詳しくは「運動脳」の本かその本について私なりにまとめたnoteご参照ください。
実際にドーパミンが出ると、不安の反芻思考が軽減したり、作業への集中力が復活する実感があります。
そして副産物として、その後家に帰ると、なぜか掃除をしたり整理整頓をしたくなってしまうという現象が起きます。
仮に「ドーパミン」が片づけをしようとする意欲に関係しているとすると、どういった関係があるのでしょうか?
参考にしたいのは、ADHDの特性の「先延ばし」や「回避行動」です。
私がADHDかはさておき、私の場合も、これが起きやすいと感じています。
ドーパミンは、「行動を起こす際の動機付け、学習や作業などの目的のともなう行動を起こすことや、ワーキングメモリを働かせることなどで重要な役割を担っていると考えられて(「りたりこ発達ナビ」参照)」おり、ADHDの人は、ドーパミンが不足している可能性があるため、報酬への期待や達成感が低くなり、その結果、物事を先延ばしにしたり、集中力が続かなくて逃避したくなる傾向があるとのことです。
となると、仮説としては、
一定時間走って心拍数が上がる➡ドーパミンが放出される➡苦手な「整理整頓」を先延ばししたいと思わなくる➡特に報酬系のない「整理整頓」をすることができる。
ということが起こるのかなと思いました。
あと、疑問なのは、自分としては特に片づけをしようと思っていなかったのに、整理整頓したくなるのはなぜなのかということです。元々、片付けをしたいと思っていて、ドーパミンが出て片づけ始めるのであれば、もう納得なのですが…。
なにか本能的に整理整頓がしたいのでしょうか?
ちょうどNHKで「“整理整頓” それはヒトの本能なのか」という番組があったようで、視聴した方の内容をまとめたブログを参考にすると、
・整理整頓をするには脳のあらゆる機能を使うので過集中の状態が必要。
・定住して農耕をするようになると、所有するものを整理整頓する必要が生じた。
などがあるそうです。
「過集中」の状態は、一般的には、目の前の楽しいこと(報酬)に対して反応しすぎて、やめられなくなったり、こだわり行動が続いている状態とも言えますが、それぐらいの状態でないとそもそも、片付けや整理整頓はできないのか!と思いました。
また、定住して農耕が始まって以来、整理整頓の必要性が生じたとなると、共同体の理念の中で生まれていった規範であって、人類の本能的な活動ではないようだと思いました。
ということで、「整理整頓すべき」という規範が頭に入っており、ドーパミンが過剰に出て過集中状態になると、先送りしていた「片付けや整理整頓」を、「片付けをしなくちゃ」と思えて、行動に移せてしまうのかなと思いました(仮の意見です。)。
言い換えると、心拍数を上げる運動をしてドーパミンが出た後に、「片付けや整理整頓」をすると、あたかも報酬系(嬉しいご褒美)がもらえていると脳が勘違いして、「片付けや整理整頓」≒なんだか嬉しい活動になってしまうということかなと思っております。
ということで、ドーパミンが出たすぐ後に、先延ばしにしたいことをやると、なんだか楽しくやれてしまうかもしれません。
最後に、整理整頓は本能的なものではない、文化的な共同体の中で起こる行為で、かつドーパミンがドバドバでていないとできない「特殊な振る舞い」なんだ、できなくても仕方ないと思いました。
《参考資料》
・「運動脳」 アンデシュ・ハンセン著 御舩由美子訳 サンマーク出版 2022/8/19
・「ADHDのある人に処方される薬コンサータの効果や副作用、コンサータとストラテラ違いも解説」『りたりこ発達ナビ』 2023/07/13
https://h-navi.jp/column/article/35026569
・「“整理整頓” それはヒトの本能なのか」『ヒューマニエンス』NHK 2023年8月7日
https://www.nhk.jp/p/ts/X4VK5R2LR1/episode/te/LGJGR5RGJ1/
・上記番組のまとめや感想を書いたブログ(『教養ドキュメントファンクラブ』)
https://tv.ksagi.work/entry/2023/08/13/000049