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営業マンに必要な抽象度と解像度を駆使する思考法
ここ数年「解像度を上げる」という言葉を頻繁に耳にするようになりました。かつて私はデザインに携わっていたことがあるので、「解像度」という言葉を聞くと画像データを連想してしまいます。
解像度という言葉を調べてみると「画像や映像の鮮明さを示す指標である。具体的には、一定の面積内にどれだけの情報量(ピクセル数)を持つかを表す。解像度が高いほど詳細な情報を表現でき、画像や映像は鮮明になる。一方、解像度が低いと、画像や映像の細部がぼやけたり、ジャギー(ギザギザ)が発生することがある」と記されていました。
おそらく、一般的に解像度と言えば、このような意味で使われます。
デザイン業界だけでなく、デジタル化によりビジネス一般に使われるようになってきたことから、ほかの意味でも使われるようになったのだと推測できます。
今回は、デザイン業界以外での使われ方を考えてみます。
コロナ禍以前のことになりますが、ある人と打ち合わせを行っていたら「解像度を上げましょう」と言われました。それまでこのような使い方をする人が私の周りにいなかったので、一瞬「?」と思ったのですが話の文脈と単語の意味から何となく意味を理解することができました。
また、時を同じくして、弊社スタッフから「打ち合わをしていたら、相手から解像度が低いって言われたんですが、よく使うんですか?」と質問されました。
「解像度を上げる」という本の著者である馬田隆明さんによれば、解像度には「深さ」「広さ」「構造」「時間」の4つの視点があると言います。
■深さの視点 原因や要因、方法を細かく具体的に掘り下げる。
■広さの視点 考慮する原因や要因、アプローチの多様性を確保する。
■構造の視点 「深さ」や「広さ」の視点で見えてきた要素を、
意味のある形で分け、要素間の関係性やそれぞれの
相対的な重要性を把握する。
■時間の視点 経時変化や因果関係、物事のプロセスや流れを捉える。
このように、それぞれの視点の定義づけがされています。
この本によれば、解像度が高い人の特徴として、①話が明確かつ簡潔、②例が具体的、③多くの事例を知っている、④様々な可能性を考慮している、⑤洞察がユニーク、⑥これからやることの布石が明確だそうです。
一方、解像度の低い人の特徴として、①話を聞いていると疑問が湧いてくる、②具体性がなくふわっとしている、③競合や事例を知らない、④解決っ佐久が安易、⑤話がばらばらで論理の飛躍がある、⑥進め方の見通しがないとのことです。
解像度を上げることによって、物事が明確になり、行動しやすくなるのは間違いありません。したがって、高い解像度で話をするというのは、コミュニケーションにおいても重要なことです。また、相手が理解しやすくなります。これは営業においても、会議においても、打ち合わせにおいても、恋愛においても基本中の基本ですが、できている人はごく一部のような気がしてなりません。
さて、ここまで解像度について紹介してきましたが、本題は解像度とは真逆の話です。それは「抽象度」です。抽象度とは、物事を一般化して考えている度合いのことです。これはどのポジションで物事を考えていて、そのポジションにおいてどれくらい情報量があるかという度合いのことです。
たとえば、動物という概念を抽象度が高い順番に並べます。
1.動物
2.犬、猫、鳥
3.犬であればトイプードル、ブルドックなど
猫であればアメリカンショートヘア、ベンガルなど
鳥であればインコ、文鳥など
1から3にいくほど、具体的で情報量が多くなります。
「インコ」のポジションの抽象度を高くすると「鳥」になります。「鳥」のポジションの抽象度を高くすると「動物」になります。
このように抽象度を高くすると、どんどん抽象的になり情報量が少なくなります。また、イメージしにくくもなります。
昨日、ある人から抽象度を高くすると問題や課題が解決するというようなことを聞きました。確かに抽象度を高くしたポジションで下の概念を見渡すと選択肢が増えます。これは重要です。インコをペットとして飼おうと思っていた人が、抽象度を高くして考えると、犬にしようか、猫にしようか、鳥にしようかと選択肢が増えます。つまり鳥というカテゴリーから脱却することができるのです。
解像度を上げることも必要ですし、抽象度を高くすることも必要です。
この2つを駆使した思考をすることによって、問題解決能力が上がりますし、仕事のスピードも早くなります。抽象度を高くすることによって、行き詰まっていたことでも一気に目前が開けることがあります。少なくても発想が広がり、可能性も広がります。
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